PROJECT | ナノ


※注意※
元拍手御礼として掲載されていましたので名前変換はありません。
基本的にエルは本当に変態です。
今回は微裏的表現があります、苦手な方は気を付けてください。







朝、今日はあたしが一番に本部入り。



昨日終わらなかった報告書を書き上げる為に今日は皆より早めに来た、簡単な物だからすぐに終わるでしょ。

そう思って、本部に入ったのが間違いだった。



「――…で、仕事できないんだけど…」

「あなたは私の物です」


…どうしよう、はっきり言ってウザイわよ竜崎…。

いきなり呼びつけて何するかと思ったら、いきなり抱き上げてひざの上に乗せて。


「どうぞ仕事を続けてください」



…腰に手を回さないで、どうかお尻は触らないで…

仕事が出来ないって、言ってるじゃない。



「…今日中にこの報告書書き上げたいんだけど…」

「でしたら今、私に直接どうぞ」

「いや、ライト君になんだけど」



すると竜崎は目の色を変えて、机の上にあった書き途中の報告書を取り上げ、ビリビリと破り始めた。



「ちょっ!!竜崎!?」

「ライト君にラブレターなんて許しません」

「はぁ?!」



どう見てもラブレターじゃないわよこれ?

どこのどの世界にレポート用紙にキラの殺人事件を羅列させた愛の言葉があると!?


「はぁ…また書き直さなきゃいけないじゃないの…」

「!?そこまでして月君に愛を伝えたいと?そこまで私に妬いてほしいんですか?いけない子ですね…お仕置きがほしいんですか?」



…慣れてるよ、もう慣れたよ竜崎の超変態具合には。

でもだからってお尻撫で回さないで、名前呼び捨てしないで、この変態。



「…痛いですよ…」

「自業自得よ竜崎」


あぁ…もうすぐ皆来ちゃうじゃない、早く終わらせなきゃ。


竜崎から離れて、あたしは一人デスクにつく。



「竜崎は自分の仕事してて、あたしはもう一度書き直さなきゃいけないんだから」

「…まだ月君に愛を伝えたいと?」


くどい、もう言うのも飽きた。


「そうね」



もう開き直ろう、そう理解したいならそうされば良い。

どうせまた妙な妄想発言だけなんだから、無視すればいい。

「…………」



………あれ?

竜崎の反応が無い。

少し、不安になった。



「…竜崎?」

「…そんなの許しません」



途端、後ろから抱きしめられるもんだから、反応できなかった。




「りゅ…竜崎…?」

「あなたは私だけの物です」




「……もしかして、竜崎…」

「もしかしなくてもです」



そう、竜崎は…
……妬いてる…


「…ふふっ…」


…可愛いところも、あるじゃない。


「笑い事ではありません」

「…そうね?」



さっきまでのお返し。

余裕がなくなる竜崎は、とても可愛い。



「あたしは可愛い竜崎が好きよ?」


どうせまた黙るんでしょう?余裕が無いのは事実なんだから、返す言葉も無いくせに。


ところが、世界の名探偵は違った。




「…いい度胸ですね」



竜崎の体が、あたしから離れた。


「え?」

「私が、“可愛い”ですか」

「?」




回転椅子をくるっと回されて、あたしは竜崎の方を向かされた。


「っ!?」



と、思ったらいきなりキス。




「――…〜っ!!」



…息苦しい、竜崎の舌が口内で暴れまわってあたしを捕らえて離さない。

顔を離そうとしても、頭を押さえられて捕らえられる。

息をつく暇も与えてくれない。




「―…ッ!!…はぁ…ん!?」



やっと離されたと思ったら、そのまま竜崎の舌があたしの首筋を這った。

鎖骨の辺りをきつく吸われて、甘噛される



「っやめ…てっ…」

「…はい」


ゆっくりと頭をあげた竜崎の顔が、近い。


「これでも私が、“可愛い”と?」


…仕返しの、仕返し。


「…全然可愛くない…」

「でしょう?」



真っ赤になったあたしの顔を見て、にこりと笑う。



「では改めて、私はどうですか?」


…言わせたいんだ、あたしが言いたくない事を。


「……嫌…」

「そうですか、ならば仕方ありませんね」



聞き分けが良すぎる。

何か、ある。



「ちょ…竜崎?」

「朝からですが仕方ありません、あなたが素直じゃないのがいけないんですよ?」



ひょいっとあたしの体を抱き上げて、ドアの方へ向かう。

これは、もしかしてもしかしなくても…



「いやーっ!!」

「おや、素直じゃない上に駄々までこねるんですか?やっぱりお仕置きが必要ですね」



ドアに手をかけた竜崎がにやりと笑ったと同時に。



「おはようございまー…れ、竜崎?」


いいところに来た松田さん!!


「松田さん助け「私達は隣の部屋にいますから、邪魔しないで下さい」



ドアを強引に閉めた竜崎。

もういくら暴れても誰にも声は聞こえない。




「いやよーっ!!」

「もう少し素直になってください、可愛いんですから」




“可愛いんですから”




そう、彼が言わせたいのはただ一つ。


素直じゃないあたしは、なかなか言ってあげられない。


…いつかきっと、自分でちゃんと言える日が来るかな?




“格好良い竜崎が、大好き”




END



決定、固定ヒロインじゃないなコレ。
(でも性格的には共通してる…)

竜崎(L)のキスは、甘くてねっとりしてると思う



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