「起きろ」
「起きてますー…」
「すぐに飯がくる、身支度を済ませておけ」
本当に男の人と同居してる。
「(いつからあたしはこんなハレンチな女になったんだ)」
朝一の自己嫌悪は頭にガンガンと響く。ハミガキも腕に余計な力が入る。
「…そういえば、朝らしい陽射しじゃないですね」
「…ここは別名不夜島。昼島だ、夜はない」
なるほど通りで昨日は真っ昼間なのに異常な睡魔に駆られたのは、疲れていたからだけではないらしい。沈むように意識がなくなったのも、時間が時間だったからかな。
「ルッチさん、」
「ルッチで構わん」
「着替えってどうしたら良いですか」
「ここで構わん」
「黙れ変態」
朝は弱いのか鋭い眼光も眠たそうな半開きで睨み付けてくる。でも残念あたしも眠いからそんな目力見えないんだよー!(一体何が残念なんだバカヤロウって殴られた)
「でもなんか優越感」
あたしの発言になんて気に止めてもいない彼は新聞をその細い目で眺めながらすっと部屋の隅に置かれたダンボールを指差した。
「衣服はお前が寝てる間に届いている、カリファの仕立てだ」
カリファ姉さあああん!!
感動だ!さすが女性!ありがとうございま…
「…姉さんの趣味は…」
「(姉さん?)セクシー」
ダンボールは開けた瞬間に絶句。
ここは毎日舞踏会ですか。スーツとドレスとランジェリーの異常な煌びやかさしか目に入りません。シャツとかジーンズとか、フツーなのは?!
「……ルッチ」
「なんだ」
「シャツとか、貸してください」
「そこのクローゼットにガキの頃のがある」
…ルッチよりもずっと身体の小さいあたしならまぁギリはいるだろう…って、
「ダサッ?!」
平和って、しかも漢字で白抜きって、なんで?!子供の頃からこんなの着てたのこの人?!
「文句を言うな」
「うわちっさー…」
「着てるのか?!」
本人もびっくりしただろうシャツはお腹が少し覗く程度の大きさであたしの身体を収めた。まぁギリギリかなぁ…。どちらにせよあのドレスを日常生活で身に付けるよりはマシなはずだ、たぶん。
「は?」
「お前が誘った」
「誘ってねぇよ!朝から盛るな!」
「ルッチさァーん!朝食ですよーっ」
ばふんとベッドへ即行リリース。あぁ今日も周りは変態だらけだ、これから大丈夫なのあたし。
朝はどうも弱いらしい
お盛んなだけだ、タチが悪い。
END
エムさん←ルッチさん←ギャサリン
こういうののギャグって好き(もっとギャグらしいのがいい!)
←|back|→