serial/学パロ(op) | ナノ



初めて見たときから、変だと思った。薄々とかじゃなくて、もう鮮明にはっきりと言い切る。

変だこの先生。
狙われたのはあたしなのか?


「昨日9組担任の素飯太夢先生が喋るハトを携えシルクハットを被った男に殺された」


それあんただよね間違えなく。しかも哀しむ演技も無しにほくそ笑んでいるなんて隠すつもりはないのか。隠せよ犯罪者。


「よって副担任でも何でもないが今日から俺がこのクラスの担任になる。担当教科は文系・実技全般だ」


2年9組は文系クラスだ。

今配られた時間割表にほぼ毎日毎時間名前が登場しているように見えるのは、どう曲がり曲がってもあたしの視力が何とかなってしまったんじゃない。


「席順は一年間変える予定はないが意見があったら直接俺に言いに来い」


意見なんてしてみろ、お前らの担任のようにしてやるぞ的雰囲気フルオープンじゃない。もうその殺気を背負った背中は一身に意見を認める気ゼロだ。
しかもその視線を教卓真正面の席を与えられたあたしから寸分も動かさないってのは、どーゆー了見だ。


「……」

「……」


ひとしきり話終えたのか、教室内はある種のいやーな沈黙にプレス8秒前。
仕方ないから正面を向くしかなかった視線が先生に向けられると、ほんのり赤くなりやがった。


「……」

「どうか…しましたか」


気まずい沈黙は破る他なかった。


「バカヤロウ、照れる」





せんせー、止めて下さい。





先生その変態行為を止めて下さいなのか先生を辞めて下さいなのか。



END

※学年を3年→2年に変更しました。勝手でごめんなさい。



back