「…700…750…79、3」
掲げた正義は全うする為に、背負った正義は貫く為に。崇高でひどく偽善的な大義名分だ。
「おい女ァ?!てめどっ…─ぐっ?!」
海賊ではないとはいえそれこそ武装派には違いないか。
「あいつ政府の役人か?!」
「女一人なんださっさと片付けろ!」
「指銃」
今日もあたしたちは赤に染まる。
広がる赤を楽しむ趣味はあたしにはない。課せられた任務をただ実行するだけだ。
「どれもこれもいい加減じゃない」
本当に、あの革命軍?
置かれてある書物、地図、資料、情報を見て判断するにドラゴンと繋がってる形跡は見られない。…言うなれば血気盛んな反政府派ってところか。大体ドラゴンが易々と政府に尻尾を掴ませるわけがないか。
「………」
…無駄な殺しだった。死ななくていい命もきっとあった。
「…なんてね」
生かしておいた男に聞いてもやっぱりドラゴンのことなんてまるで知らない。革命軍本体とは無関係もいいところ。
「最後に聞くわ」
息も切々になりながら助けてくれと訴える。こっちは人差し指をもう血まみれの喉元に突き付けてるっていうのに。
「他に通じてる奴らの居場所、情報…知っていることを言いなさい」
「知ってることはみんな話した!頼、む…っ命だけは」
「…そう」
どうしてそこまでして生きたいと願うのどうして敵にまで助けを乞えるの。
「たの」
せめて死に際くらい潔くあれ。
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