なんて眩しいんだろう。たった二つだけの光なのに私の暗闇をみんな照らしだしてしまった。
適当なお金を掴まされて適当な呼び名をつけられて色んな人に身体を触られる、気持ち悪いとはあまり思わなかった。これが、昔からの当然だったから。人に裸を晒すこともそれに触られることも、普通のことだった。
だけどただ、ずっと思ってた。
どうしてそんなに濁った目をしているの。
誰も答えてなんてくれない、誰にも聞くことなんて出来ないから。
誰か教えて。
答えてくれる誰かに私は逢いたかった。ずっとずっと逢いたかった。
「娘、何をされていた」
不思議だった。不思議な人だった。
私が住んでいた夜の中に、灯りがついた。それもマッチなんかの灯りじゃない、まるで太陽みたいな大きな光。鋭くて強くて、私が初めて見た灯り。
「─…お前、口が」
嬉しくて嬉しくて、思わず笑った。
伝えたかった言葉はきっとありがとう貴方に出逢えた幸せ。
「我が名はジュラキュール・ミホーク」
貴方に一生照らされたいと、本気で思った。
END
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