「ルッチーいっ!」
「来やがったなハレンチ娘!」
「お呼びじゃぞルッチ」
「ンマー、どこ行きやがったんだあいつは」
「逃げましたね。エム、材木倉庫よ」
「ありがとカリファ!」
…冗談じゃねぇ。
「ルーッチ!」
「………エム、ここは立ち入「り禁止じゃないよ?ここはドッグじゃないもの」
ニコニコにこにこムカつくくらいに笑いやがって。その無邪気さには怒りも呆れも通り越して、感嘆の域だ。
「…仕事中に変わりはない、邪魔をするなポッポー」
「あたしも仕事中なの」
二階の出入口に立っていたあいつは地下に位置する俺のいる場所まで吹き抜けを介して飛び降りた。一般人…女ができる事ではない。
「…人に見られたらどうするつもりだ」
「出せるじゃない、ちゃんとした声」
さも愉快そうに、そいつは笑った。ムカつくくらい、笑顔の似合う女。
「まだこっちは仕事中だ。邪魔するな…殺されたいのか」
「そんな怖いこと言わないでよ。あたしにその特権は許されてないんだから」
一瞬曇って、また晴れて。
リバーシブルスマイル私の任務は貴方の彼女。だってあたしはNo.9じゃないんだもの。
「お弁当作ってきたの!一緒に食べよ?」
満足してるわけじゃねぇくせに、そんなに嬉しそうに笑ってくれるな。
END
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