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「ちょっ、降ろしてよルッチー!」
よりによってバカ犬とエムがつるみやがって。悪さをしない内にその首ねっこをつまみあげて連れだしてやる。
「あのバカとは付き合うなバカ」
「だってジャブラがアメくれるって言ったんだもん!」
そう言って連れてきた部屋のテーブルの上に広げられたのは色とりどりの包装紙につつまれた飴玉。まりの多さに抱えきれなかったのか両ポケットは既に破裂寸前状態。
「…そんなに貰ってどうする」
まずこの量、こんな甘いもん食いきれるわけがない。
「ルッチと一緒にしないで!」
「反抗期のガキかバカヤロウ」
甘いお菓子大好きなだけ!そう言ってテーブルの上から一粒口に転がした。うまそうに目を細めた顔がまた子供で、苛立つほどに愛らしい。
「ガキ」
「いいよ、ガキだもん」
ちゅっとムカつく音をたてて飴玉は俺の中で踊った。
あんまり幸せそうに笑ってくれるな手を引くその笑顔に誘われてその身体も真っ赤に火照らせてしまおうか。
END
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