「ルッチ!!!」
「あぁ、エムかおわぶっ!」
「(おわぶ?)」
司法の島に海列車から降りるや否や、六式ではなく華麗なエルボーをかまされた。
「長い!どんだけ待ったと思ってんだ!」
「(無茶苦茶だ…)…すまなかった」
「ばか、おかえり!ハットリ元気だった?」
「クルッポー!」
飛び込んできたエムを抱えたまま歩みを進める。エニエスロビーに着いたらまず部屋に直行したいところだが、一応、長官への報告が先だな。
「ルッチ髪伸びた、くすぐったい、鬱陶しい」
「そう思うならお前が切れ」
「やだよ調子のんな」
「(口悪い…)」
誰のせいだ、あの野良犬か?
エニエスロビーに向かう跳ね橋が降りようとする。
エムは俺が降りてきたときからずっとしがみ付いたままだ。
「歩き辛い。離れろ。後でいくらでも可愛がってやる」
「うっせーばか調子のんな」
顔に反して言葉遣いと態度は最悪だ。
ふと、スーツをくしゃっと握られる。
「みんな任務…あたし、一人だった」
「…だから、どうした」
「…帰ってきてくれてありがとう」
恋に落ちる音とはまさにこのこと「ちょっ、どこ向かってんの」
「長官の所は後だ」
「なっ…!バカヤロウ降ろせ!変態!アホ!」
END
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