日報 ブログ ::エンディミオンの郷〜遊園都市トピアにて(ルトナ) 19日。 「からざおの音が脱穀場からトントンと聞こえてくる」という、このからざおがいわゆるフレイル、連接棍棒で、これで麦や米を叩きました。 武器としてのフレイルは、よくモーニングスターと混同され、もうそれで通ってる感も。 元々はトゲトゲ球の部分のことをモーニングスター(モルゲンシュテルン)と呼ぶので、それを鎖に繋いだものより、主にメイスを指した語だったそうです。 ちなみに朝があるなら昼もあり、ゴーデンダック(こんにちは)という長柄の歩兵用モーニングスターフレイルもあったそうで、1302年クルトレーの戦い(金拍車の戦い)では、堀割を作って迎え撃つフランドル兵が、フランス騎士団が足を止めたところをこの武器で散々に痛め付けたそう。 フランス騎士団は壊滅、一説には歩兵一人が二人の騎兵を倒した計算になるとも。その日7月11日は今もベルギーの祭日だとか。 そしてこの「こんにちは」の名で呼ばれた武器にも、メイス型とフレイル型が両方あったようです。 こうした市民兵の武器のイメージもあるようですが、メイスもフレイルも鎧に対して有効なので、中世騎士にとってもメジャーな武器だったよう。 騎乗用の物は多く片手持ちの小さなメイスやフレイルです。 しかし創作物では剣やランスより軽視されがちな印象で、ゲームでは僧侶用の武器とされることも多いです。 戦鎚も鎧に有効だけど、こちらはドワーフの武器という印象。 だから浸透してなかったか、むかしJICC(宝島社)から出てたベニー松山の「ウィザードリィのすべて」でも、フレイルの解説には「竿のような武器らしい」と書かれていて、農具との混同が見られます。 若かりしベニ松さん、「からざお」と聞いて竿か、とクォータースタッフのようなものを思ったのかも。 でも末弥純のイラストでは、プリーストはモーニングスター型フレイル持ってます。 女性のプリーステスはメイスを持ち、モーニングスター型メイス持ってるのはレベル8ビショップ。とすでに出揃っている。 末弥氏は西洋の資料に触れられて、イメージ持ってらしたのかもしれません。 映画ではロードオブザリング3で、アングマールの魔王が振り回してエオウィンの盾をくだいたのがモーニングスター型フレイルでしょうか。むしろ破壊の鉄球という感じですが。 これ小説では「矛」です。原文なんなんでしょう? 矛といったら古代の広刃槍ですが、メイスを「鎚矛」と訳したりもします。また調べておきますが、原文はメイスかもしれない気も。 あとルトナが歌ってたのはウルティマの「ストーンズ」の改変です。 22日。 「地虫が鳴き始めていた。」は中上健次ですが、昔から引っ掛かってる箇所。なら引用すんなとも思うけど← こおろぎとか鈴虫が鳴き始めていた、なら解るけれど、地虫とはふつう地中の幼虫とかを言うと思うのですが。それって鳴くかい? たぶん中上はこおろぎらのことを言ったのだろうかなとは思うので、私もその意味で考えてます。 歌はロングフェローやキーツあたりからうろ覚えつぎはぎ改変! 26日、トピア。 近所のニワトコがまだ赤い実をつけてた印象でしたけど、今日見たらもう実はほとんど残ってなくて、生け垣に使うのは時期が遅かったか。 ヒルガオも、近所の金網にはまだたくさん咲いてるけど、もうそろそろ終わりですね。 ヨーロッパ風の植生は、本や映像でみてるだけだからわからない。 ならこその憧れもあり、ファンタジー世界でゆるくそういうこと言いたくなる気持ちはありますが、実感的にはよくわかってないので、ロルで即興描写する際にはやはりPLの周辺世界の植生が紛れ込みます。 でもそう、西欧の児童文学やファンタジー小説の字面からの憧れで、言いたくなるというのはあって、やはり「ワイン」でなく「ぶどうしゅ」と言いたいわけです。 「ブロードソード」や「広刃剣」でなく「だんびら」と言いたいわけです。 こういうのがフレイルのように誤訳や錯綜のもとなんだろうけど(笑) back ×
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