日報 ブログ ::ファンタジー力学考2 かちびと達のウォルデン池 人間の一日の要求エネルギーが大体2000kcal〜と言われますが、重い旅装を負って一日歩くなら、もう少しかかるでしょう。 行軍する兵士で3000kcalとか、寒冷地では5000にのぼることもあるとか。 3000としたら、旅人の必要おにぎりは一日17個。ただしこれは維持エネルギーぶん含みます。 歩行燃料だけだといくらでしょう。ダイエット情報探せば山ほど出ました。時速4kmの普通の徒歩で、体重60kgの人が1時間に189kcal消費だそうです。 これを適用すれば200kmで9450kcal。52.5おにぎり。 実際の旅では道が悪かったり、荷物があったりで、もう少しかかるかもですが、大体1時間1おにぎりですか。 対して、前頁で考えた2人乗りセスナなら、200kmの燃料は1564おにぎり、割って1人あたり782おにぎり。 これを以下に整理します。 単位は距離がkm、時間が1時間、燃料が1おにぎり(=180kcal)。 距離 速度 時間 燃料 A:徒歩 200 4 50 52.5 B:セスナ 200 160 1.25 782 表に明らかなように、Aに対してBは「エネルギーを払って時間を買っている」と読むことができます。とするとセスナはエネルギーと時間の変換装置。 ここではそれぞれ差額が729.5rb(ライスボール)と48.75hだから、交換レートは1h=14.96rb。 Aは実際には50時間デスマは無理で、5〜7日の行程になります。Bだって速く着いても着いた先で宿とるから日数同じならそのコストは変わらないのだけど、宿や食費のぶんを移動費として計上するかしないかはその都度選択的なのでご注意を。 データとは常に全てそういうものです。データ自体に意味はなく、読む時に意味が発生する(付与される)。その気なら誘導的にも使用できる。私に惑わされないようにね← ABどちらが得かは状況と目的しだい。 何より速さが足りない時も、時間がダブついて速く着いても仕方ない時もあるでしょう。 Aは移動のついでに、1週間低排気スローライフやって700おにぎりほどエコ補助金を稼いだとも、へりくつ言えば言えるのです。 また「森の生活」でソローが「最速の旅人は徒歩旅行者である」と言ってます。あれは「線路を敷設したり、汽車設計したり、石炭掘ったり、汽車賃稼いだりしてる間に、自分一人の身一つで歩き出してれば今頃もう着いてる」というレートの提示です。 まあソローは芝居っけで喋るとこありますし、リテラシー発動して、とりあえず話半分にしておきましょうか← むろんそれは真理です。そもそも論でいくなら、汽車やセスナを動かす化石燃料自体が、地中にて生物の死骸から精製されるまで何億年かかってるでしょう? その反論。足を動かすおにぎりの稲だって、今の形に進化するまで何億年かかってるでしょう? こうしてレギュレーションを設けずにリソースの総量を比べ合おうとすると、論理は無限後退し、結局は存在の問いのようなライプニッツ並感になりますが、論理というもの自体がそうした構造なのでしょう(カント並感)。 それも面白そうな考察ですが、本記事では今はこの辺でぐずぐすしてなくていいでしょう。 旅の目的によって移動手段が変わるように、読み方によってデータが意味を変えるように、論旨と論法も相対的、というくらいにとどめて、次にいきましょう。 次は馬での旅を考えてみますが、とりあえず今日はこの辺で! 本記事の題はリチャード・ブローティガン感! back ×
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