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::ファンタジー力学考1.竜航空と蛇女房

ドラゴン便やワイバーン便のコストについて、前にもここで軽く書きましたが、もちろんpetitユニバースにリアル世界と同じ物理が働くとは限りません。
それをお断りさせていただいた上で、空想科学読本的にちょっと考えてみたネタ記事です。苦手な方は閲覧にご注意をお願いします。

あと各数値の引用と計算はかなりざっくりなので、だいたいのイメージソース程度にとどめておいていただければ幸いです。というか計算とか間違ってたらゴメンの←
ここが変だよといったご指摘などありましたらお気軽にお寄せください。
















ホフマンで馬による陸運関連を考えるに、空運が競合になります。
わりと気軽に空路が使われてる印象ですし、最近になって大型ワイバーンの調教が可能になったと辞典に記述あるあたり考えると、今も発展中の技術なのでしょう。となると、ペティット世界でも馬は徐々にすたれていく段階かもしれません。
その社会状況においての馬や陸運をあえて使うメリットや市場価値を探るために、対置される空運の特徴を考える必要が出て、ちょっと考えてみました。




まずドラゴンの要求カロリーはどのくらいでしょう。
仮にゾウくらいの大きさで5トンとするなら、基礎代謝と活動エネルギーを合わせてざっくり一日15万キロカロリーほど、という計算がありました。運動量によってもっといくでしょう。
また仮に乗用馬くらいの400〜500kgとしたら、一日1.5〜3万キロカロリーなどですか。
それらの質量が飛ぶとなると、さらにかなりの要求エネルギーが発生するでしょう。

ドラゴンらが爬虫類なら燃費はいいでしょうか?
しかし基礎代謝が低いとしても、活動するならそのぶんだけのエネルギーを必要とするのは変わりません。
それに、変温動物だと脳があまり発達しないのじゃないかしら。だとしたら調教できるほど知能や社会性が生じるかどうか。
仮に変温動物のままで賢くなってたとしても、やはり脳や神経細胞の活動ぶんだけ相応のエネルギー消費が発生してるでしょう。

高燃費をメリットとする変温動物が高い知能を獲得するのは、せっかくの長所を捨てることでもあります。
ヒソカが昔、天空闘技場で「ダブルとかメモリーの無駄使いやで」と言ってましたが、知能の維持もメモリーというかエネルギー食います。
ともあれ、ドラゴン便のドラゴン達は爬虫類でもきっちりエネルギー使うということになりそうです。





では飛行にはどのくらいのエネルギーが要るんでしょう。
飛行機だとどうか。
4人乗り軽飛行機のセスナ172は、出力180馬力。135キロワットに相当。
一時間回したら48万6000kJ。
カロリーにして11万6154kcal。
ひとつ180kcalのおにぎりで換算すると645個ぶんです。

これは出力。入力はどのくらいか。
セスナ172で時速200kmの飛行1時間に使う燃料は約7ガロンだそう。約26.49リットル。
ガソリン1リットルの燃焼エネルギー約11261kcalを適用すると、29万8392.65kcal、約1658おにぎり。
燃費はリットル辺り7.5kmぐらいです。
でもスペックによると航続距離が1185km、燃料容量が201リットルだから、これ単純に割ると燃費はリットル辺り6km切るけど。満タンで飛ぶと燃料の重さで燃費下がるのかもですね。


これより少し小さい二人乗りのセスナ150なら、重量504kg、最大離陸重量730kg、出力100馬力。
巡航速度160km/hで燃料20リットル消費として、燃費はリットル8km。22万5220kcal。
さっきのと比較する為に距離を200kmに合わせると、28万1525kcal。1564おにぎり。2人しか乗れないことを考えればやや効率悪いかな。


次に大型旅客機。
条件によりばらつきますが、ボーイング777で燃費65m/lとしますと、実際飛ばすには距離短いけど仮に200kmぶんに換算して、ジェット燃料3076リットル。
ケロシンの燃焼エネルギーを11000kcal/lとしたら3384万6153kcal(18万8034おにぎり)。
300人搭乗したとして、一人辺りは約11万2021kcal(627おにぎり)。





ドラゴンやワイバーンの羽ばたきと、プロペラやジェットと、どちらが推力への変換効率いいのかよくわかりませんが、仮にドラゴンが5000kgとして、普通の重力下で、1m体を持ち上げて一秒間浮かす仕事量は50kJ、11.95kcal、一時間で4万3020kcal。
ワイバーンが馬並の500kgならだいたい10分の1になるでしょう。

この揚力を、筋力(羽ばたき)から取り出すなら、変換ロスぶん消費はずっと多い。
1メートル体を持ち上げるだけでこうですから、さらに飛翔の揚力と推力を得るとなると、中々かかりそう。

巡航速度は飛行機みたいに200や300km/hも出ないでしょうし、ゆっくり飛ぶなら燃費はましなのかな。低速なら空気の抗力によるロスは減りますか。でも飛行機より低く飛ぶだろうから空気密度高いぶん抗力ある。
また、実際には全部の推力を自発しなくても、凧やグライダーや帆船やジェット気流のように、風力を変換すれば燃費は稼げるはず。
あとはハイブリッド車的に、何かロス分の力を別に貯めてたり。
この辺の実験データの収集なんかもやって行きたいですね。風立ちぬの堀越とかパズーとかトンボとか、ジブリ少年達は日夜こういうこと考えてるんですよきっと(笑)


まあここでは仮に、ワイバーンが504kgの二人乗りセスナと同じく、200km飛ぶのに100馬力で出力して28万1525kcal入力したとしましょうか。
ワイバーンはおにぎりとか食べないとして、100gで30円とかの、なんか妙に安い飼料用の肉でエネルギー摂取するとします。
牛や豚のひき肉が100gで220kcal辺り。これを適用すると127.97kg必要で、食費は3万8389.72円。ハンバーグ1000個ぐらい?
1km辺りは191.95円の燃料。水代含めて約200円とかでしょうか。

彼らが草食だったとしたら、ずいぶん安くなるんですけど。
配合飼料の乾燥トウモロコシがなんか1ブッシェル3.6ドルとかって、1トンでも140ドルってこと?これは輸送費も入ってない元値ですけど。
ちょっと詳しいデータないのでこの考察はまた後日。日本飼養標準などの資料に当たってからにします。(今日月曜で図書館閉まってた)


さて食費がこれくらいで、初乗り2000mまで銀貨2枚として、以降距離ごとに料金メーター回る感じで。
1kmで500円上がるくらい?250mで125円。
東京のタクシーで280mごとに90円回るとかで、1kmは321.42円だから、そう高くないでしょう。ヘリ飛ばしたら1分で6000円とかですし。

すると、徒歩2時間、8kmの距離をワイバーンタクシーで行けば5000円。
徒歩一日、30kmの距離は1万6000円。
東京-大阪間の直線距離に相当する、徒歩二週間の400kmだと20万1000円。

全体にかなり甘い計算にしており、個人的なファンタジー感覚からは相当安いのですが、どうでしょう?


しかし他の維持費や保険や人件費や、また飛行社会全体に生じるコストも導出されていくでしょう。
空賊対策法とその予算も組まなければ。
直行便でなく、途中で給油ならぬ給肉、または替え馬ならぬ替え竜が要ることもあるでしょうからドラゴンポート、ワイバーンスタンドも置かれたり。
そうしてローフルな先進国で航空法や防空施設やインフラが整備されてくる中で、役人に袖の下渡して融通利かしてもらったりもあるあるでしょう。
一方でカオティックな無法地域はわりにガバガバ自由で、息苦しさを嫌うヒコーキ野郎が集まって一種のボヘミアンコミュニティが形成されたり、流通活性と自由化によるは富の偏在加速から、航空成金が台頭したりもするかもですね。


人々がテレポート能力を得た「虎よ、虎よ!」のジョウント社会が混沌化したように、移動手段の変化には様々な状況がともないます。
FF4のオープニングにある、
「人々の夢であった天駆ける船、飛空艇
だが、その飛空艇の機動力は夢の実現ばかりか欲望を満たす手段にまで成り得た」
という文言なども思い出されます。


まあ再度断りますが、この記事は単なる妄想垂れ流しです。
魔法とか心意気とか不思議なパワーで飛んでるんや、でいいのですし、そうすべきかもです。
で「ではそうざっくり処理することで、情報エントロピーがどう変化してるのか?」という問いが結局出てくるんで、わりと一緒ですけど。人間の業ですなー。
そのファンタジー情報理論もまた一考してみたいところですが、今日はこんなところで♪



題名の蛇女房は昔話からです。
おにぎり1000個とかどれくらいだろう、と想像してたらだんだん気分悪くなってきたり謎の自爆しながら書いてたですけど、同時にこの話を思いだし。
飯を食べない高燃費な奥さんをもらって喜んでたけど、怪しいから仕事行ったふりしてスニークしてみたら奥さん大蛇に変身し、大量のおにぎり作ってぱくぱく食べてた、という。
あの丸のみ気味な、のど越しで味わう食いっぷりが、実にうまそうだったのですよね(笑)
 

2016.06.20 (Mon) 20:03
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