雨の日のこども
『ゆきお、どうした?ずぶぬれだぞ!?』
『…おにいちゃ…』
『まただれかにイジメられたのか!?』
『…ひっく…』
『よし!にいちゃんがおこってやる!』
『でもっ…前みたいに…けが…したら…』
『だいじょうぶ!にいちゃんにまかせろっ』
『…やだ…!いっちゃ…やだ…ここに…いて…』
『けど…ゆきおはくやしくないのか?』
『おにいちゃんが…いなくなるほうが…ヤダ…っ』
『ばかだなゆきおは。オレが、ゆきおとばいばいするわけないだろ?』
『…ほんとに…?』
『もちろんだ!ずっと、にいちゃんがいっしょだからな!』
『ぜったい…?きらいになったり…しない?』
『やくそくする!あ…そうだ!ゆきおはオレのおよめさんになれ!』
『…え?』
『およめさんになったら、オレがおむこさんで、ずっといっしょだろ?大人はみんなそうじゃん!』
『けど…兄弟はおよめさんになれないよ?』
『そんなの、オレがえらい人にいってかえてやる!ゆきおがおよめさんになって、ぜったいオレがまもるし、いっぱいしあわせにするんだ!わかったな?』
『……うん!!』
『やくそくだ!!』
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小さな頃の大きな約束