燐のご飯は大切だ




「兄さん」
「ん?」
「僕、料理覚えようと思うんだけど」
「こりゃまた何の気まぐれだ?」
「兄さんばっかに任せてても悪いかなぁと」
「そっか〜。別に雪男に作るのは全然イヤじゃないし楽しいけどな」
「でも少しくらい出来た方が良くない?」
「まぁな。よし、兄ちゃんが教えてやる」
「お願いします」
「雪男にお願いされるの何か気分良いなー。で、実際料理したことあんの?」
「昔、本を見て取り組んだことはある」
「へー。兄ちゃん知らなかった。どうだった?」
「…一週間」
「一週間?」
「入院した。とうさんが」
「……」
「本の通りに作ったんだけどね」
「…えっと、何作ったの雪男君」
「最初だから味噌汁とご飯炊いた」
「………。一体何したの!??どうしたら入院!?」
「まぁ小さい頃だからね」
「笑顔が爽やかスギマス…」
「て訳で、とりあえずご飯の炊き方教えて」
「お、おぅ。まず、米を研ぐ」
「はい。じゃあ」
「ちょっと待てェッ!!!!雪男その手にあるのは何だ!!!」
「何って…洗浄剤」
「…んなもん食材とミックスさせるなァッ!!!」
「ダメなの?」
「当たり前だ!!!…あー絶対ジジイ泣いてるわ…」
「この方が綺麗になるかと」
「お前頭は良いのにな…」
「じゃあ味噌汁にしとく」
「食材以外使うなよ!」
「はいはい。えーっと…」
「…雪男さん、今度は何されてるんですか…」
「何って、味噌汁」
「兄ちゃんには、味噌に湯をぶっかけてかき混ぜた上に怪しげな薬草を混ぜてるように見えるんだが」
「風味が良くなるかなぁと」
「風味の前に死ぬわぁ!その紫の葉っぱどうしたんだよ?!」
「しえみさんから貰った」
「そうかそうか。…雪男」
「なぁに兄さん」
「ご飯は兄さんがずっと作ってやるからな」
「……プロポーズ?」
「…お前頭は良いのにな…ああ本日二回目…」
「ま、プロポーズまでされたし料理は兄さんに任せるよ」
「うん、プロポーズじゃないけどな。そうしてくれ」
「変わりに僕は兄さんを美味しく頂くから」
「……お前とりあえず少し休め。勉強のしすぎだ」





こんなゆっきーいやだ

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