2012/04/07 22:01

軽い頭痛を覚えバルコニーへと出る。くすんだ星。明かりの消えた街中。頬を撫でる生温い風。眼下に見えるのは、ライトアップされたプライベートビーチ。飛び越えたらすぐ其処。鳥じゃあ無いから羽ばたく事も出来ない。重力に従うのみだ。痛いだろうか。いや、それどころかきっと死んでしまう。身を乗り出し下を覗き込むと…暗い。吸い込まれる程に。もしこのまま、このまま。「あんた何やってんですかっ!」突然背後から強い衝撃を感じた。そのまま思い切り後ろに倒れる。「っ…じょ、仗助?起きたのか」「め、目が覚めたんっすよ!もっ…馬鹿っ!一体何やってんですか!!落ちるつもりですか!?」その顔が余りに真面目で必死で若くて、序でに馬鹿馬鹿しくて。「バーカ。誰がンな事するか。テメェ置いちゃ死なねぇよ。死ぬ時ぁ心中だ」「え…ちょっ…ンっ…」煩い唇を塞いで、そのまま室内に引きずり込んだ。夜明けまで後、三時間。
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