2012/04/07 16:24

俺はどうしたってこの人の一番にはなれない。彼の優先順位のトップを独占することは絶対に無理なのだ。例えどれだけ愛を紡ごうが大切だと囁こうが睦言を繰り返そうが、決して。こんなにも好きなのに、彼から与えられる感情は比例しない。ぶっちぎりなのは俺の方だけ。首位独走。「良いなぁ彼女は。どうしたって俺には適わない」「当たり前だろ。あいつは特別だ」ほんの少し嫉妬して、ちょっとだけ羨ましくて、残りの大部分は何だかとても暖かい気持ちに包まれた。「今度紹介してくださいよ」「……悪い虫にならねぇと誓うならな」「まだ6才でしょう。この親バカ」一生俺が適わない彼の思い人は、もうすぐアメリカの小学校に入学するらしい。それを語った時の優しい表情は、やはり一番俺の愛しい物だった。
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