2012/03/26 00:11

「明日、晴れますかね…」仗助は先程からしきりに空を眺め、不安げに思案していた。「40パーセントらしいぜ」今し方パソコンから仕入れた情報を教えてやると、こちらを向いた顔が複雑に歪む。「せっかく久々のデートなのに!雨じゃ花見出来ないじゃないっすか!」「俺に云われてもな」こればかりは、スタンドだろうが財団だろうがどうしようもない。人の力は及ばないのだ。「承太郎さ〜ん!何とかして!」「…お前な…。てるてるぼうずでも作れ」「てるてるぼうずって…。…おわっ!」手元に有ったティッシュの箱を投げつけると、反射的に仗助は受け取る。「…まじで?」「まじで」「うっ…なら承太郎さんも作って下さい!」「俺?…チッ、面倒だな」そう答えながらも大した手間でもないし、このまま喚かれるのも煩いから、仕方なく立ち上がった。「一個だけだぞ」昔何度か作ってやったのを再現し、仗助に手渡す。物凄く意外そうにしながら、怖々と受け取りそれを眺め「お、俺の心は晴れました!これ宝物にします!」なんて晴れ晴れした満面の笑顔を見せた。大袈裟だと思いつつも、早くも作った甲斐が有ったか、と可笑しくなる。…もう一つ、作ってやるのも悪くないか。
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