2012/10/11 10:35

厚めの唇は乾燥した空気の所為か何時もより乾いていて、触れた刹那にガサッとした。「承太郎さん唇が痛い」見上げながら文句を云うと長い指が自ら感触を辿って納得したのか、そうだな、と返されて。「ならお前が潤せ」なんて云わせたモンだから溜まらずに幾度も啄み、同時に潤んだ目尻にもキスをした。
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作り物の様な美貌をした男は描いて居る時にだけ生きているのだと実感出来た。画用紙を満たしていく事で、その存在を形に残せるからなのだろう。幾つもの線が重なっただけの紙から伝わる息吹。それを見て漸く僕は愛を抱く。 (露承)

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常識的に有り得ない恋心を抱いた俺も俺だし、受け入れた方もとち狂っている。どっちもどっち。だけれど何時だって俺らは対等じゃあ無かった。「仗助」その声が名を呼び身体に触れられる度息が出来ない程の焦燥に駆られる。俺がどれだけ悶えても、彼は凪の様であるのに。
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