2012/09/19 01:02

「負けたぁぁぁあっ!」「ふん、この俺に勝とうなどと100年早いぜ仗助」頭を抱える仗助と、勝ち誇った顔で腕を組む承太郎。2人の側にあるのは、如何にも苦く不味そうな青汁のグラス。ドラッグストアの試供品で貰ったそれを無駄にするのも勿体ないからと、どちらが飲むか古典的な方法で戦い、あっさりと承太郎に軍配が上がった。
「マジで飲むんっすか」身体に良いとは云え、毒々しいそれは気力を奪う。「負けたら飲む約束だったろ」既に勝者である承太郎の表情は余裕を漂わせており、ふっと笑った。早くしろと云わんばかりの目つきで(実際そう云いながら)睨まれ、仕方なくグラスを手に取る。
「一気に飲め」そんな無茶な、と思えども、暴君が抵抗を受け入れてくれる筈もなく、頂きます!と声を張り三分の二ほど仗助は呷った。「どうだ?」「……まずい」極々シンプルな答えに、承太郎は楽しげに肩を揺らす。口の周りは鮮やかな緑色だ。「どんな味だ」「とにかくマズい」「感想になってない」味が口内に広がり話すらしたくないのか、仗助は乱雑に口元を拭った。「…承太郎さん、マジで飲んでよ。一口だけ」「…」少し考えた後、そこまでのものならと興味を掻き立てられグラスに手を伸ばし、少なくなった中身を流し込めば端整な顔立ちが歪んだ。「マズい…」全く同じ感想を告げ、グラスを置く。「マズいですよね…」「…ああ」何となく互いにで意気消沈しながら顔を見合わせて。
「…口直しのキス」「…多分直らねーぞ。俺も同じ味だからな」「そっか…」2人同時にため息をつき「承太郎さんに飲ませるんじゃなかった…」とぼやく仗助に「それはそれでキスされた時が最悪だな」と承太郎が肩を竦める。「物自体は健康には良いんでしょうけど、チュー禁止のストレス半端ないっすね」「確かに精神的に来るな」はぁ、ど同時にため息をつき、どちらからともなく歯磨きをしようと腰を浮かせた。
comment (0)



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -