2012/03/17 20:05

惰性で過ごす日曜の午後。承太郎さんは分厚い本を読み、俺はゲームしたり雑誌をめくったり。昼はとうにすぎて、夕方にはまだ少し早い時間。隙を持て余した俺がテレビを告げると沢山の馬が映っていた。「競馬か」昼食後初めて承太郎さんの声を聞いた気がする。「みたいですね」「賭けるか仗助?」「え?」「3着までを3頭予想する。多かった方が勝ち。負けた方は…買った方の云うことを何でも聞く。同数だったら引き分けで何も無し」「良いっすね」どうやら彼も退屈だったらしい。俺は快諾した。そして、ファンファーレが鳴る。――結果、俺の惨敗。途中までは完璧な勝ちだったのに。何故途中で失速したんだ。スタンドの力か?…いや、この人にギャンブルで勝てた試しは無かった。例えじゃんけんでもババ抜きでも。「さて、何をしてもらおうか」形の良い唇がスッと弧を描き、碧玉の双眸が細まる。思わず寒気を覚えて、お手柔らかに。と引きつった声で呟いた。
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