2012/09/18 22:34

「承太郎さんってさぁ、一体何なの」「んー…」俺の発した言葉に最初は生返事を返した物の、数秒してその意図を計りかねる事に気付いたのか視線がこちらに向けられた。「ツラも綺麗だし頭も良いし身体のラインもパーフェクト。オマケにスタープラチナで時止めとか反則だろ」「何だ唐突に。意味が分からん」怪訝そうな瞳に構わず喋ると声に微かな困惑が混じる。本当にこの人は自分を判って居ない。その気になればヌード一つでさえ死ぬまで遊んで暮らせる金を手に入れられると云うのに。こんな所で、こんな世界でただ俺みたいなガキと居てさ。「馬鹿だよなぁ、あんた」「…喧嘩売ってんのか」「あいたっ」飛んできた拳骨を額で受け止める形になり良い音が響く。赤くなったその箇所を撫でると少し腫れていた。手加減っつーのを知らないのか。「痛い」そう抗議すると、ぐっとお綺麗な顔を寄せられて、猫…いや、しなやかな黒豹のようだ。「お前のもんだろ」「え?」「全部、お前のもんだ。ツラも頭も身体も全部、お前のもんだ」赤い舌はワザと見え隠れを繰り返し、常人より冷たい体温が絡み付く。「…ですよねぇ」体内の熱が反射的に蠢き、本当はそれが聞きたかったのだと笑って、肩を床に縫い付けた。「まぁ、知ってますけど」
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