2012/07/19 00:25

蝉の大合唱の中、滝のように流れる汗を肩に掛けたタオルで拭き取って、すっかり温くなったミネラルウォーターを喉に流し込む。
泡だらけの車にホースで水をぶっ掛けると小さな虹が現れた。

凶悪な程の空の太陽は容赦なく肌を焼き、皮膚が痛い。しかし一時間に渡る死に物狂いの洗車とワックスのお陰で納車したての様に綺麗だ。

「終わったか?」

我ながら良くやったと悦に浸っていると、タイミング良く承太郎さんが玄関から出て来る。

「何とか!暑くて死にそー!けどこれで夏もバッチリっすよ!」
「よし、お疲れさん」

労りの言葉にニッとピースをした後、頭からホースの水を浴びた。
おい、と呆れたような声が聞こえたが、火照った身体には丁度良い。それに服のまま海に入る人より全然マシだ。
風鈴も出したし、水着も揃えた。あとはクリーニングに出している浴衣を取りに行けば夏の準備は万端。

「じょーたろーさん、今年の夏も色んな所行きましょーね!」

水の音に負けぬように叫ぶと、タオルでも取りに行こうとしてくれていたのか、再び家の中に引き返し掛けてた彼が足を止める。
そのまま形の良い唇の端が吊り上げられ

「…当然だ。ぶっちぎるぞ」

丸で戦闘を開始するように辺りに涼やかな声が響いた。




さぁ夏です!イェイッ!
夏はテンションあがるぜぇ!多分馬鹿っぽさが3割くらい増しますけど、夏なんで許して下さいっっっ!
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