2012/06/24 18:51

強風と豪雨が窓に叩き付け豪快な音を立てる。大型の台風は少しずつ接近中らしく、テレビ画面には暴風雨の中必死に中継をする女子アナが映っていた。「かなりデカい台風みたいっすね」「だな」ニュースによると結構近い場所に上陸するらしい。「今日は早めに寝るか」風呂も終えていたため、承太郎さんはソファーから腰を浮かせた。「えっ!?明日休みなのに!?」「この暴風雨なら停電するかもしれねぇし…おい、何やってる」「熱い包容」「…下らねぇことしてないで寝るぞ」容赦なく引っ剥がされて、一人寝室に向かい始めた彼を慌てて追い掛ける。「外の台風より俺の下半身の台風が」「なら外に出て台風同士仲良くしてろ」思い切り蔑まれた視線を向けられ、仕方なく口を噤んでベッドに潜り込んだ。…しかし。「…これはなぁ…」腕の中で丸くなった承太郎さんの密着度が何時もより高い。いつぞやの嵐の時もそうだったが、どうやら豪雨が苦手なようだ。静かな場所を好む人だから、逆が嫌いなのも判る。お預けを食らった俺は仕方無く目を閉じた。外は煩いが、その内穏やかな寝息のみしか聞こえなくなり、何時の間にか暖かな眠りに引き込まれた。





台風が怖い承太郎さん!
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