2012/03/15 01:32

「承太郎さん…何で…?」
何度か瞬きをしても承太郎は目の前消えない。幻覚ではないようだ。殆ど足音を立てないまま距離を積められ、傘を頭上に掲げられた。途端に雨が遮断され変わりに傘に水が当たる音が煩くなる。
「中々来ねぇから、家の方に行ったらお袋さんにまだ帰ってないって云われてな。ついでに傘預かってきたぜ。車の中だ」
「…ずっと待っててくれたんですか?」
「いや…一時間位か」
「も、もし俺が承太郎さんとの約束忘れてて、遊びに行ってたらどうするつもりだったんっすか」
「校門の前に不審な車両が長時間停車中、って通報されてたかもな」
「んなアホな…って、そうじゃなくて」
「それより乗れ。こんな所で雨の中立ち話してもしょうがねぇ」
「え、あ…けど俺…濡れてるし…」
「構わねぇよ。早く来い」


傘を持った承太郎が先に車の助手席へと向かうため足を踏み出す。一瞬躊躇うも、すぐに仗助も後を追った。また少し肩が濡れたが、さして気にもならない。
「ほら、入れ」
「すんません」
ご丁重に扉まで開けてもらい、仗助は恐る恐るシートに座った。凭れかかる事はせず、浅く座る。雨に濡れたシャツでは車内を濡らさない訳には行かなかったが、気持ちの問題だ。
やがて承太郎も乗り込み、どこから取り出したのか白いタオルを仗助へと寄越してくれた。
「ありがとうっす。…あ、そう云えば承太郎さん…今日スーツっすね」
有り難く柔らかくて清潔なタオルで水分を拭き取り、櫛で髪を整えながらふと口にする。気付いてなかった訳ではないが、先程は彼の出現に対しての驚きが大きく、今までそれを云う機会を逃していたのだ。
「ん?ああ、着替えるのが面倒でそのまま来たからな」
真っ黒で仗助などが見ても一目で高級品と判るそれ。普段の白いコート姿とは対照的な色合いではあるが、驚くほど自然に着こなしていた。髪の毛は整髪材で整えられており、帽子が無い所為で精悍な顔立ちがより際立っている。
きっちりネクタイの閉められた首元に髪から落ちた雫が伝って、酷くエロティックに見え仗助は思わず喉を鳴らした。雨の香りと柑橘のフレグランスが密室で相まって、くらりと目眩を起こしそうになる。仗助にはまだ無い大人の色香を存分に纏っていた。
□□□□
何だこの自分だけが楽しい文章。
つまりね、スーツの承太郎さんは大人だってことが云いたかった訳ですよ。このあとホテルに帰って、部屋に入るなり無意識にベッドに腰掛けた承太郎さんがネクタイ緩めてさ。仗助もう我慢出来ないよね。誘ってるとしか思えないよね。思春期フィルターだからね。

勿論ネクタイで手首拘束はお約束です。

「お、おいっ、仗す…んっ…!」
「承太郎さんがスーツでエロいから悪い」
「何を訳わかんねぇ事を…ネクタイ…はっ…ん…」
「そんなこと云っちゃって、ガン勃ちじゃないっすか。ネクタイで縛られて悦ぶような悪い子にはお仕置きっすね」

そんな感じで一週間ぶりのお仕置きプレイ希望します(`・ω・´)
最終的に理性とか吹っ飛んだ承太郎さんに「…じょ、すけ…の…いれて…くだ…さいっ…」って泣きながらねだられて、これまた理性の切れちゃう仗助がいいです。
なんか色々すみません(´・ω・`)
comment (0)



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -