2012/06/23 13:38

「いい加減にしろ」「ぐえっ!」背後から与えられた鋭い蹴りに蛙がひしゃげたような声を出してしまった。痛いなんてもんじゃなくて思わず身体を丸める。「い、いたいっす…」「何時までもやってるからだろ。ゲームと人生、どちらを終わらせるか好きな方を選べ」「止めます!ゲーム止めますから!」流石に大慌てでゲーム機のスイッチをオフにした。この人なら本当にやりかねない。「ガキなら眠くなったら寝るし腹が減ったら飯も食うが…それ以下だなテメェは」「うっ…」「今は何時だ」云われて時計に目をやると21時。…通算12時間、連続で勇者を冒険させていたようだ。「すんません…」「もういい。飯食ったら風呂入って寝ろ。俺は先に寝る」「承太ろ、」言い終わる前にリビングの扉が閉められた。静かになった室内でテーブルを見れば、丁重にラップをされた肉じゃがと焼き魚、きんぴらごぼうに大きなおにぎり。ふと、今日明日は久々に二人揃っての連休だと笑っていた彼の顔を思い出す。「あっ…」途端、自分の馬鹿さ加減に気付いてぎゅっと胸が痛んだ。まだ痛む身体を引きずって寝室へと向かい、乱雑に扉を開ける。ベッドの上で本を広げる承太郎さんが煩いとばかりに露骨に顔をしかめたが、気にせずにまずは土下座した。




許してくれるといいね(笑)
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