2012/05/21 23:22

「いやいやいや、おかしくね!?何で別れ話になってんの!?しかもイタリアとか有り得ねぇから!!冗談きついって!」「だから冗談ではありません。…そういえばあの家は承太郎さん名義でしたね。このまま住むなら一切の生活費はこちらが負担しますし、手続きもこっちで行います。引っ越されるならその費用も持ちますからご心配なく」「そうじゃなくて!!俺は承太郎さんと別れる気とかねぇから!」

流石に仗助も憤慨します。笑顔はもうありません。仗す犬だの犬属性だの尻尾ぶんぶんだの云われてますが(云ってるのは他でもないうんこ・vanですがね)怒った表情はかなりの迫力です。

「大体承太郎さんが別れたいって云ったのかよ!?幾らジョルノでも云って良いことと悪いことがあるだろうが!」「…」「何とか云えよ!」
思わずジョルノに掴みかかる仗助。覚えていますか。元々はキレやすい子なんですよ。


しかし、ジョルノは相変わらず毛程も表情を動かしません。そしてその無表情のまま、懐から何かを取り出して仗助に突き付けました。
それはベレッタM92FS…まぁ要するに拳銃ですね。
ここまで至近距離で向けられてはいくらクレダイでもどうしようも有りません。「え…えっ…?」状況を理解するまでに数秒ほど要した後、仗助呆然。


「ジョ、ル…ノ?」「手を下ろして貰えますか」「……わ、分かった…」どう見てもジョルノの瞳はふざけていません。そろそろと仗助は腕を下ろします。ジョルノも銃を終いました。

「落ち着いていただけましたか?」「……お陰様で」「それなら良かった。では自宅まで送りますよ」「い、いや、だからちょっと待ってって…。そんな別れ話とか…承太郎さんが…望んでるのか…?」

落ち着いたと云うより肝が冷えたという感じなんですが、とりあえず高ぶりの消えた声で仗助が問いかけます。

「望んでいる、とまでは言い切れませんが、選択肢の一つには有るようでした。あまり詳しくは聞けませんでしたが」

が、ジョルノの言葉を聞いた途端再び怒りがぶり返す仗助。

「選択肢程度で別れるのはおかしいだろっ!ちゃんと話し合って仲直りすれば良いじゃねぇか!」
「選択肢程度、ですか。…僕なら、彼にそんな選択肢を抱かせる事はしませんよ」
「あ、相手は人形じゃねぇんだぜ!?自分の思い通りになる訳ねぇだろ!!」
「そう。まさにその通り。分かっているじゃ無いですか。彼は人形ではありません。確かに表現の少ない方ですが、だからと云って傷ついてないわけじゃないんです」
「んなの云われなくても分かってるっつーの!」
「じゃあ、何故彼に云ったんですか?『昔みたいに普通の女の人と付き合って結婚しろ』だなんて」
「っ…それはっ…」
「云って良いことと悪いことがあるんですよね?」
「だから…勢いで…」
「僕は常々承太郎さんに幸せになって欲しいと願っていたし、貴方にそれを求めてきた」
「…ああ」
「あんな姿を見たかった訳じゃありません」
「だから、それはっ…」
「言い訳は結構。…仗助、お前にはもう渡さない」


そう宣言したジョルノの瞳は、今までの誰よりも冷たい色をしていて。身体の奥底から冷えていくような感覚に捕らわれる仗助。
恐らく、ジョルノは言葉通り明日承太郎さんと一緒にイタリアへ行くのでしょう。承太郎さんが簡単に承諾するとは思えませんが、承太郎さんだからこそ頷くかもしれません。
そうなれば、ジョルノが関与した以上二度と承太郎さんに会えぬ事は何よりも明白です。

そんなことになったら。と再び仗助はぞっとします。


「そんなの…納得できるわけねーだろっ…承太郎さんどこにいるんだよ!直接話す!」「僕のホテルの部屋で休んで頂いてます」「ほ、ホテル!?ジョルノお前まさかっ…」「邪推は止めて頂けますか。…まあいい。案内しますよ」ジョルノの言葉で、再び高級車は承太郎さんのいるホテルへと向かいます。


ああまだ続くっ…ほんとにすんません…。纏めもせず思いつくままに書くとこういうことになるんですよ。皆さんは真似をしないように。
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