2012/04/18 17:21

一緒にDVDを見ていて、ふと気がつくと承太郎さんは寝息を立てていた。ここ暫く水質調査だとかで世界中を飛び回って疲れていたのだろう。俺も仕事でバタバタしていたから、2人でのんびり過ごす休日としては2ヶ月ぶりだ。風邪を引いてはいけないと、朝一に干した毛布を取りにベランダに向かう。外に出ると辺りは夕焼けに包まれており、何処からともなく夕食の香りが漂っていた。風は少し冷たいけれど茜色の日差しはとても優しくて、家路につく沢山の子ども達の声に笑みが浮かぶ。振り向けば、穏やかな顔をした愛しい人。やっと手に入れたこれ以上に無いほどの幸福。ふかふかの毛布を手に部屋に戻ると、そっと身体に掛け俺もその隣に潜り込んだ。どうか、この時間が続きますように。殺伐とした世界ばかりで生きてきたこの人が、安らかな明日を普通に迎えられますように。俺の、全てを差し出すから。これ以上の願いなんて叶わなくていいから。どうか、





休日
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