2012/04/10 19:46

近くのデパートで駅弁フェアとやらをやっているから行きたい。と仗助が言い出した。食い物に関しちゃ随分と鼻が聞く。断る理由もないから出掛けて、人が多いのには閉口したが、財布を渡すと仗助はしっかり弁当を確保してきた。しかし。「……お前、そんなに」ホテルに戻り仗助が取り出したのは4つ。「育ち盛りですから!」だからと云って買いすぎだろう。俺は精々1つでいい。「兎に角食べましょー!」と、早速包みを開け弁当に取り掛かるから、俺も適当に選んで箸を割った。――結局仗助は殆ど3つ綺麗に平らげた。更にデザートだとか抜かしプリンを頬張る。太るぞとからかうと、暫く考えて何故か俺に跨ってきた。「…おい」「食後の運動を」「…あ?」「シタい」俺が睨むも、笑顔で流される。食ったばかりだというのに、貪欲な奴だ。若いというのは素晴らしい。どうせ事が済んだら今度は寝るんだろう。「…欲望に忠実だな」「でも承太郎さんも何だかんだ付き合ってくれるっしょ」「…違いない」結局いつも流されてしまう俺は、つくづく甘いのかもしれない。これ以上は育ちたくもないのだが。
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