2012/04/08 19:30

嘗て共に研究を行っていた同僚の葬儀から帰り酒を飲んだ。大概強い自信はあるが、ハイペースで飲み過ぎらしく、ガンガン頭痛がする。飲み方を知らなかった10代の頃みたいだ。気付けば日付が変わる寸前。そろそろ寝なければ、と思った時に携帯が鳴った。誰だ。疲れていたが、反射的に通話ボタンを押す。「…もしもし」「あ、承太郎さんっすか?起きてました?」愛しい声。日常を、安堵を、安らぎをもたらす優しい優しいそれ。「ああ、どうした?」「今から行ってもいいっすか」唐突に仗助は云った。「は?」何故こんな時間に。意味が分からない。聞き返した俺に「何か、今あんたを独りにしてちゃいけない気がする。仗助君の第六感っす。すぐ行きますから」一方的に電話は切れた。ツーツーツー。暫し携帯を持って呆然とする。本当に意味が分からない。分からないが、無性にあの体温が恋しくなって、今日初めて少しだけ泣いた。

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