「怖がらなくても大丈夫だよ」 『…っ』 「初めての時もこうだったよね。大丈夫…すぐ思い出すよ」 『や…っ、んぅ…!』 まともに動けないのをいいことにさっきからされるがままなことが自分で自分が腹が立つしまるで昔を懐かしむような口調が意味わからない。 『…!』 ちょっと…何、どこ触ろうと 『んっ…!』 「脚、閉じたらダメ」 『や、め…っ、んぅっ!』 もしかして…いや、そんなわけない。でもこんなことする関係は、 (誰か…、) 夢なのにありえない焦燥感。指を埋められて明らかに濡れる音がリアルすぎる。感じたくないのに体が反応することへの不安や恐怖心、耐えるように唇を噛み締める自分の存在がどこに位置づけられているのかもうわからない。 誰でもいいから…、 (ひ、ら…) *** いきなり蒼を抱きすくめたことにも驚いたけど今度は何やろうとするのかと思えば 「平門…?」 「蒼を呼び戻す」 「は…どうやっ…?!」 …って、平門アンタ…! 『…っ?』 「蒼」 え、平門…?てか何、すごく顔が近いし、イヴァも顔がなんとなく紅い…? 『何…したの…?』 ていうか私、嘉録に…思い出そうとしても頭が痛いし口の中に謎の違和感…。 「平門ぉ…っ!」 「結果オーライ、と言うだろう」 「だけどアンタ!…蒼!こっち!」 『ぶっ…!』 「今日はもう私と居なさい!平門は半径3メートル以内近寄っちゃダメ!」 現状理解できない。でもイヴァは目をこれでもかと釣り上げて三白眼で平門を睨みつけてる。 『平門…?』 「今日はもういい。イヴァに任せる」 『は…』 本格的に意味が分からないままイヴァに手を引かれてしまった。 私を呼び戻すためとはいえ呼吸が苦しくなるまで舌を突っ込まれ所謂キスされていたことが口内の違和感の原因だったなんて知ることはなかった。 「蒼どこ行くの?」 『トイレ…』 夢か現実かは分からない。だけど下半身の違和感を確かめる為にトイレへ篭った。 (…嘘、) 夢の行為が現実にまで縺れこんだか分からない、だけど私のそこは自分の愛液でベトベトだった。 まさか夢の行為で濡れたなんて死にたいくらい恥ずかしい、なのにただの夢では済まされないような気がしてならない。 *** 「嘉録?」 「…エリシュカ、先に行っててくれるかい?」 「分かった…早く、来てね?」 「うん…」 (あぁ…) また邪魔されちゃったな。 Psychedelic |