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「―――円堂守くん、ですね?」
大江戸国際空港へと降り立った円堂を迎えたのは、1人の男性。
スーツを纏ったその男性―――いや、恐らく円堂よりも2・3歳年上の青年は手を差し出した。
「お久しぶりです。豪炎寺先生から貴方をお迎えに来るように言われ、参じました。さあどうぞ。お車がこちらにございます」





「よーっす、風丸。元気かー?」
日本エリアに戻った一同を迎えたのは、雷門中制服を纏った2人組。
「東!大谷さん!!」
そう風丸は叫び、駆け寄る。
同じ学年である豪炎寺と鬼道・染岡も寄りはしなかったが、懐かしい顔を見て笑む。
だが、一方で全く分からないのが他学年、そして違う学校の面々だ。
そんな光景をみて、風丸は2人を紹介する。

「紹介するよ。この2人は雷門中の2年生で、大谷さんと東。東は俺と円堂の幼馴染なんだ」
2人はぺこり、とお辞儀をしてまた風丸へと話しかける。
「なあ風丸。円堂はどっかに行ったのか?姿が見えないけど」
「もしかしてサッカーやりに他の国のエリアに行っちゃった?」
「あぁ…、そのことなんだが」
その疑問には鬼道が答えた。





「そんなことがあったんだ…。私たちが飛行機に乗る前はそんなこと無かったよね、東君」
「あぁ。新聞にもニュースにもなかったしな。入れ違いになったのか」
表情を曇らせた東だが、すぐに笑みを浮かべる。
「でもあいつ戻って来るんだろ?だったら待ってようぜ、大谷さん。木野さんや理事長代理と久々に遊べるだろうし」
「理事長代理…って、東君。私には雷門という苗字があるのよ?」
東の言葉に夏未は苦笑する。
しかし大して気にすることもなく、東に問うた。
「それにしても、どうして今の時期にこちらに来たのかしら?もう大会は終わっているのだけど」
そのどちらかといえば当然の疑問に、東は少し表情を曇らせる。

「――まさか、お前。まだあの時のことを気にして」
表情にピンとくることがあったのだろう。
風丸は何かを察し―――そして東の胸倉を掴んだ。
「ちょ、ちょっと。風丸くんどうしたの!?」
大谷は慌てて止めに入るが、風丸はそれを聞こうとはしない。
そしてイナズマジパンの面々はいつも穏やかな風丸が、胸倉を掴むという行動をしたことに驚いていた。

「あのことはもう終わったんだ。お前が気に病む必要はないし、あいつだってもう大丈夫だ。もう7年も前のだろう!?」
「…そうだな。でも、俺…嫌な予感がしたんだ。だって、今日って――――」


あの日から、ちょうど5年目だろ?





「おかえりなさい」
何も見えない暗闇の中に、声が聞こえる。
「おかえりなさいませ」
後ろ手に縛られた両手では、どうすることもできない。
「おっかえりー!」
怖い。今はそれしか考えれない。

あぁ、でもどうしてだろう。


「「おかえり、まもる」」

前にもこんなこと、あったような――――――――――






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