全世界のサッカー少年達の夢と羨望、そしてある男の野望に彩られたFFIは、極東の島国・日本のイナズマジャパンが制するという誰もが予想だにしていなかった結末に終わる。
その事実は全世界に衝撃を齎したが、それと同時にサッカーを愛する者にだけでなく全ての人々に可能性の力について考えさせるという展開にも成った。
しかし、光が強ければ強いほど深みを増すのが―――闇である。
そして誰も気づかない。その闇は、皆を照らしていた彼の人のなかにあることを。
「――やっぱり、あの子は全てを遍く照らすんだな。強く、永く、そして温かく」
「こら、 、行儀が悪いわ。…まったくあなたったら」
「まあまあ、 。ね、 貴方もそうおもうでしょう?」
「はい…、 さま」
「んー?ねぇねぇ 、なんでこんなにいっぱいのヒトが にひっついてるのぉ?」
「ああん?そりゃ にひっつく悪い虫だからだろが、 」
「…まったく、怖気すら奔るな。目視したくもない」
「 。 と はどこに?」
「あの2人なら に呼ばれて行った。恐らく始めるんだろう」
大きなテレビを見ながら、8人は思い思いに述べ、答え、問う。
そしてそんな彼らはただ1人の姿を注視していた。
殆どが半袖のユニフォームを纏う中で、長袖で色の鮮やかな物を着た人物――――円堂守を、ただひたすらに眺める。
「…今のうちに、笑顔でいるといいわ。太陽がいつも昇っていると錯覚している愚かな人達。それを隠す雲や雨をないものと考えている傲慢な人達」
「それで 。計画はいつ実行するのですか?」
「ふむ…どうしましょう。今からでも良いのですが…まあ、一週間程時間を空けましょう」
「彼らはもう二度と、円堂くんに逢えることなんてないんですから」
そして、開けてはいけない蓋が開こうとしていた。