一話
あっという間だった。
毎朝通う通学路を、あの子とすれ違うその瞬間。
あの子はいつも、慌てて走りながら、駅へ向かう。
僕と同じ場所を目指しているのに、彼女が慌てているわけを、僕は友達に聞いたばかりで。
五つ先の駅で降りるらしいのだから、毎朝遅刻寸前で慌てているのだろう。
僕が降りる駅は、ここから二つ先で…駅から徒歩三分もしない内に学校に着いてしまう。
だから、こんな時間でもゆっくり友達と話してもいられる。
何れにしても、お寝坊さんなあの子。
僕は、そんな彼女に恋をしたのです。
それは、一目惚れというやつで。
だけど、顔が可愛いとかそんなんじゃなくて。
毎朝慌てている、あの子に何故だか、胸がキュンとなってしまったの。
ねぇ?僕は…
いつになったら君の瞳に、写るのでしょうか。
01
いつになったら君の瞳に
← →
(bkm/comment)
▽