嫌なものは嫌

これの続き

俺とツナヨシの感動(笑)の再会からかれこれ二時間。
場所を沢田家に移し話し合いなう。
いやね…俺としては夜も遅いし手土産もねえのにで、お邪魔したくなかったんだけど家光が無理矢理ね…。アイツには一般常識がねえのか。
ちなみにお互いの守護者その他は家に帰した。ガキもいたし、そもそもあんなぞろぞろお邪魔したら迷惑だろ。…だがお互いの犬(忠犬にあらず駄犬)はくっついてきてキャンキャン吠えている。無駄吠え防止に口輪でもはめてやろうか。…とは言わない、余計うるさくなるのが超直感がなくても分かるからな。
それにしても奈々さんマジ天使だわ、家光にはもったいねぇ。
「まあ!ツッくんのお友だち?これからもこの子と仲良くしてあげてね」だってさ。
その笑顔プライスレス。「母さんやめてよ」って照れたツナヨシも見れ……って、ンなこたぁどーでもいいんだよ。
そう今話し合いの最中だ、
「ほら、オレ一般人だからボスの器じゃないと思うんだ」
「そんな事ありません十代目!あなた以外には務まりませんっ」
「獄寺君ちょっと黙っててね」
「…ハイ」
「あ゛?ンな事言ったら俺にはブラッド・オブ・ボンゴレが無ぇ」
「う゛ぉおおい!XANXUSテメーいきなり何バラしてんだぁあ゛あ゛」
「ッセェカス鮫!ちったぁ黙ってろ!」
「お、おう…」
そして平行線。
…そう、つまりは俺もツナヨシもボンゴレ継ぎたくねえんだよ。
ここは年長者を立てて俺の意見を受け入れてくれりゃいいのになあ。
「うん、でもそんなの関係ないよ…このリングを砕けばいいだけだからね。血統で襲名するなんて今どき時代遅れじゃないかな」
「ツナぁあ!?ソレってボンゴレの至宝だから!砕くとかダメだからぁっ!」
今にもリングを砕こうとするツナヨシに家光が半泣き。気のせいだろうがツナヨシの手にした指輪からみしっと嫌な音が…。
ははは、親を泣かすなんてツナヨシは親不孝者だな(棒)。
俺も昔は相当やんちゃしたがここまで血も涙もない所業はしてないぞ。せいぜいジジイが楽しみにしてたプリンにデスソースかけたくらいだ。
「いやいや、伝統ってものは残すべきだろ。それにその指輪を受け継ぐ事でファミリーの結束が強まるんじゃねぇか」
俺イイコト言ったー、ちょうイイコト言ったわー。
マジな話、仮に指輪を廃して俺がボスの座に就いたとしても務まらねえと思う。
世界の矯正力…なんて厨二な事は言いたくねえがこの世界は『沢田綱吉』がボスになる事を望み、そう働きかけるだろう。
そう道筋が決まってんなら逆らわずに流されろや…って事で俺は次のドン・ボンゴレにはツナヨシを推してます。
だから裏を探る目付きでこっちを見るんじゃねえアルコバレーノ。何も企んじゃいねえ。
「オレ、ザンザスには過去の因習に囚われず新しいボンゴレを作っていって欲しいな」
「新しいボンゴレ…と言うのなら若ぇヤツがするべきじゃねえのか?」
にゃろう、テコでも譲らねえつもりだな。
見かけだけは無邪気な笑みを湛えたツナヨシからの威圧感。
だが俺はそれに屈しちゃならねえ…主に俺の精神衛生のためにも。

―よろしいならば戦争(クリーク)

かくして指輪争奪戦ならぬ指輪転嫁戦の火蓋が切って落とされたのである。
どうしてこうなった。



もしや指輪戦自体が『逆らう事の出来ない運命、逃れられない業』だったりしちゃったワケだろうか……厨二臭ぇ。

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