神隠されました。(3/3)

理不尽だ。

「聞いているのかい三成君」
「はいッばっちりはっきり完璧に聞いておりますッ」

まったくもって理不尽だ。
唐突に神隠された私(と家康)は唐突に元の世界に戻った。
体感時間一時間もないこの小旅行だったのだが、私たちはなんと三日も行方不明状態だったらしい。なんというウラシマ現象。
とゆーワケで半兵衛様からお説教なう。こんなの不可抗力なのに…!
説教開始から一刻後「半兵衛、そろそろ…」「秀吉は黙ってて」「……うむ」という会話を経て、さらに一刻、半兵衛様のお説教はまだまだ終わりそうにない。
助けて秀吉様ぁ……私の足はもう限界です。
痺れすぎて付いてないんじゃないかと思うくらい感覚がない。
「半兵衛殿、そう怒鳴らず穏便に…」
「家康君、他人事みたいな顔してるけど君もだからね。分かってる?」
「…はい」
多分今なら半兵衛様お一人でも天下統一できる。そんな迫力を纏っていらっしゃる。
さしもの家康も神妙な顔を作って黙った。
「僕が…僕がどれだけ心配したか……」
「半兵衛様ッ」
「半兵衛殿…」
半兵衛様がこんなに私(と家康)の身を思っていてくださっているなんて…!
でもできれば私の足の事も気に掛けてあげてください。
「と、いうわけで罰として二人には城中の掃除をしてもらうからね」
そんな殺生な。

(3/4)
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