中の人とかそーゆうアレ禁止だから(1/2)

「ここはどこだ刑部ッ」
「我には公園に見える」
目に映る光景はブランコや滑り台など素朴な遊具が立ち並び、ベンチがいくつか設置されていて……刑部が言うよういわゆるよくある公園ってやつだ。
ちらほらと子どもの姿が見える。
…うーん、さっきまで戦場にいたと思ったんだけど気のせいだったのかな。
どちらにせよ私ちょう場違い。
「何故、何故ッ私は公園にいるんだァァアッ」
「サテナ」
「……」
「……」
「貴様もちったァ焦ろよォッ」
「二人して焦っても仕方無かろ、騒ぐのはぬしの役目よ」
ふうやれやれ、とでも言い出しそうなジェスチャーをする刑部はいつでもどこでも冷静だ。涼しい顔しやがってにゃろうめ。
私ばっかり焦ってバカみたいじゃないか。と、思ったら急に気が抜けた。
あーもう、なるようにしかならないし焦ったってしょうがない。
「はぁ…さてどうやって戻るか…それが問題だ」
「落ち着きおったか」
「貴様のせいでな」
「『お陰』であろ?」
ぐぬぬ…減らず口め。
言い返すだけこてんぱんにされるのでこの話題を深く掘り下げるのはよそう。
もっと建設的な事を話し合うべきだ。
「よう、アンタら…何か困り事かい?」
「「!?」」
驚き振り返ればそこにはサングラスを掛けた甲斐性のなさそうな…ごほん、失礼…サングラスを掛けた草臥れたおっさんが立っていた。
別におっさんがいた事に驚いているんじゃない。まあ昼日中からおっさんが公園をフラフラしてるのは不審者に見えるのでどうかとも思うけど、だからと言っておっさんがいるだけで驚いたりはしない。
ただ、
「おっと…お節介だったか?」
その…声、が……。
思わず刑部へと視線を走らせる。
彼奴は目をかっぴらいておっさんを凝視していた。その顔怖い。
え…何、どうしたんだ。
「…………オでは……」
「俺の見間違いじゃなかったらアンタら突然……え?悪い、聞き取れなかった。もう一度言ってくれねえか?」
「我はマダオではないッッ!」
「うぐおぁぁあっ!?え、なに!?なんで俺いきなり暴力振るわれてんのォ!?」
「我はッ我は便器なんぞにハマったりせぬッ!」
あ、コイツ全然冷静じゃないわ。
おっさんに数珠ぶちかます刑部の姿に強く思う。
なんだっていきなりバーサクモード、実はいきなりのトリップで相当焦ってたんだな?
「とりあえずそのネタは立木さんに失礼だからやめるんだ刑部ゥーッ」
…錯乱状態の刑部を止めるまでに私のバサラゲージが半分溜まった。
まあアレですよ。『マジでダークな大谷』だから貴様は立派にマダオだ。

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