はじめまして、どちらさま(1/2)

「それで…おめーらは四百年前から来たって言うんだな」
「それは『此処』が四百年先の世だって言うテメェの話が本当なら…だ」
リボーンと黒い着物の男の人がにらみ合ってる。
ああ…いかにも性格の合わなそうな二人だもんなぁ…。頭が痛いっていうか胃が痛いっていうか…ああもう、なんでこんなことになっちゃったんだろう。
わずか十分前の出来事を思い返してオレはついため息を吐いてしまった。


ランボがリボーンに返り討ちにあうのは、もうすっかり日常のことだ。
今日もまたこりずに襲いかかって、
「が、ま……ぷぎゃあああああん」
…この通り。
結局泣いたランボがもじゃもじゃに手をつっこんでだしたのは十年バズーカ。
それを自分に向けて引き金を引く。ドォーンと爆発音にもうもうと立ちこめる煙。
(今週に入ってもう十回目だよ)
呼びだされる十年後のランボも大変だよな、とか思っていた。ら、
「けふっこほっ…」
「大丈夫か慶松…ッ!」
誰かの咳と聞き覚えのない女の人の声。
え、と思う間もなく、
「小僧…俺の質問に答えろ」
煙の中からぬっと腕が伸びてきて首を掴まれた。
今は苦しくない程度の力だが、この手の持ち主にかかればオレの首なんて小枝を折るみたいに簡単に折れるだろうと分かった。こんな超直感いらねー!
煙が晴れて、
「俺達を攫ったのはテメェか…」
その男は時代劇で見るような侍の格好をしていて、
「…此処は何処だ、誰の差し金だ」
「っひ、」
オレをおそろしい顔でにらんでいる。
怖い、こんな時こそどうにかしてくれよリボーンと思ったのに。
「すぴー」
(寝たーっ!?そんなー!オレどうしたらいいんだよーー!?)
ザアザア血の気の引く音が耳の中で響いていた。


と、これがさっきまでのこと。

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