苛烈につき大暴走注意(2/3)

「この娘は…石田の縁者だな?」
毛利はしばらく天を仰いで、天井の染みを見ていた。
そしてようやく行動停止が解けた毛利は断定に近い口調で尋ねてくる。
「違う世界の私だ」
「…。大谷、石田の気が触れたようだ」
「毛利よ、三成は実に正常よ」
毛利は「はぁ?貴様何言ってんの?えっ?我意味分かんない」って顔になった。
オイ智将、顔面から感情駄々漏れぞ。
「毛利狐…テメェが何で此処に居るか聞かせてもらおうか」
「…?貴様は誰だ…貴様のような品のない男など覚えにない」
「わあああ!何っでぬしらはそう喧嘩腰なのかなぁ!」
壱矢!ぬしが毛利と仲が悪いとしてもこの毛利は関係あるまいに!
そして毛利は口調を自重せよ。煽るんじゃありませんっ。
「さあ答えろ!何故お前が秀吉様の城に居るかをっ!」
「豊臣秀吉の城…か。何を言っておる、死ん「わああああああ!」…何ぞ大谷ィッ!」
太閤が死したとバレるのは不味い気がする、つか確実に不味かろう。
ユエに、
「毛利覚悟せよ!」
「ぐあっ!!」
しばらく気絶でもして黙っておれ。我は毛利のぺらっぺらの紙の様に薄い肢体に数珠を叩き込んだ。
「我は…誰よりも聡く…脅威、であった…」
しまった死亡台詞!毛利を討ち取ってもうた!!
……マ、しばらく日の当たる縁側に置いときゃいいか。
「吉継、新…何なのだ?」
「サァ?我には毛利の言いたい事なぞこれっぽちも分からぬナァ」
ふうん、と納得の行かなそうな返事だが我が口を割らぬと察したか壱矢はさっさと追求を諦めた。…ふぅ素直なものよ。
と、思っていたら、
「そうだ…刑部、秀吉様と半兵衛様に挨拶をした方がいいだろうか?」
み、み、み、みつ!?お願いだから空気読んでよぉ!!
うわあ、三成が暗い空気背負ってる。
「…ぐすっ…ひでよしさま…はんべえさま」
「?貴様、一体何が、」
「おい…三成?」
第五天並みにめそめそする三成にみつと壱矢が当惑した様子だ。
ああ、しかも…。

「今日こそは三成と絆だ!」
「今日こそ石田のヤロウにrevenge muchだ!」
「お待ちくだされっ!某大谷殿にお二人を近づけるなと、」
「ちょっと、右目の旦那。主はちゃんと躾けておいてよ」
「悪いな。政宗様は汚名を晴らすのに必死なんだ」
「ちょっ小十郎ォ!?」


「ややこしい時にややこしい奴らが来おった」
我どうしたらいいの。

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