「壱矢、皆が待っている。行くぞ」
『え?何が有るんですか?』
「何を寝惚けた事を言っているんだ。西軍の奴らとの、集まりだ」
『あー。そう言えば、有りましたね…そんなの…』
私の目の前で、今思い出した様に苦笑する忍――壱矢。
コイツとは昔からの中だ。
だから敬語も要らぬと言っているのに、未だに敬語を使う。
全く、何時になったらその敬語は消えるんだ。
『三成様、どうかしましたか?』
「…何でも無い…」
私は奴から、顔を剃らした。
私が顔を剃らした理由が分からないらしく、奴は首を傾げる。
「はぁ…」
『ため息付くと、幸せが逃げるって知ってます?』
「知らん」
私のため息を気にしたのか、壱矢は変な事を言って来た。
ため息を付いただけで、幸せ等と言う物が逃げるなど…馬鹿馬鹿しい。
そう考えていれば、いつの間にやら集まる部屋の前に居た。
「壱矢。私から離れる事は断じて認め無い」
『わかってますよ。後ろにいれば良いんですよね?』
「分かれば良い」
私は障子を開け、部屋の中に入った。
部屋の中には、長曾我部・・毛利・真田・猿・官兵衛・刑部・が居た。
「ちょっ!石田の旦那!俺様は猿じゃなくて、猿飛だからね!?」
私が猿と思ったのが、気に入らなかったのか猿はそう行ってきた。
「私の心を勝手に読むな」
「俺様の事を猿って呼ぶ、石田の旦那が悪いんだからね」
「フン…」
私は猿…猿飛から顔を剃らした。
『佐助、三成様を許して。悪気は無いからさ』
「壱矢。俺様は気にs「家康をどう斬滅するか、話すぞ」ちょっ!石田の旦那、俺様の言葉遮らないでよ!」
猿飛は私に言葉を遮られ、頬を膨らませた。
「…壱矢よ。すまぬが、茶を淹れてきてはくれぬか?我は喉が乾いた故…」
刑部は壱矢に頼んだ。
何故壱矢なんだ。
そこは官兵衛にでも、行かせておけば良いだろ。
『お茶ですね。分かりました』
「あ、俺様も手伝うよ」
『じゃあ、お願いしよっかな…。三成様、行って来ますね』
「…好きにしろ」
私の許可を得て、壱矢は猿飛と共に部屋を出た。