ロンリーガール | ナノ

04誰より何より


翼先輩たちに里保ちゃんのことを紹介して早速アリス祭の手伝いをしてもらうことにした。


なんや棗は来ただけで壁にもたれかかったまんまや!

別に棗が嫌なら無理に来んくてもよかっんけど里保ちゃんどうしても連れてきたがってたしな!!




「今年の特力の出し物はな、ミスターミスコンやるんねん!ただのミスコンやないんねんで!!」



そう、普通にミスターミスコンとは違い、様々な特力系アリスを負かして真のミスターミスを決めるっちゅーゲームやねん。


まぁRPGの時と大差はないって翼先輩は言うてたな!




「面白そうです!!里保俄然やる気が出てきました!」


「せやったら会場作り手伝ってもらえるか?体育館まるまる特力が占領してんねん!」


「はい!」



笑顔を崩さない里保ちゃんにうちも何時も以上に笑顔になれた!





「日向くんもいきましょ!!」


「俺はいい…お前だけ行ってこい」


「棗!里保ちゃんが一緒に行こう言うてるやろ?」



「ふん、だまれブス…」

「んなああ!!?」



なんなん!?
ああもうムカつく奴やわぁ!



「里保ちゃん!こんな奴ほっといて行こか!」



そう声をかけても、
里保ちゃんは動こうとしなかった。




「里保…日向くんが行かないなら、行きません!いえ行けません!!」


「えっ、なんで…?」



里保ちゃんは一呼吸置き

再度大きく息を吸い、



「日向くんは里保の始めてのお友達なんです!」


里保ちゃんは無垢な笑顔で言った。


うちも棗も思わずぽかーんとしてもうた。




「あれ?里保なんか変な事いいました?」



急に焦り出す里保ちゃん。

なんかコロコロと表情が変わる変な子やわ!



「棗、里保ちゃんこう言うてるで〜?」



「……仕方ねぇな」



ぶっきらぼうに言うてるけど里保ちゃんに向ける視線は柔らかく微笑んでいた。




「誰より何より日向くんは里保にとって大事な、お友達ですから!」


「もういいっつの」


ばこんと棗は軽く里保の頭を叩いた。




「最悪です!横暴です〜!!」






うち、里保ちゃんのこと、もっともっと知りたくなったわ!!


明るくて友達思いで、数時間でこんなに大好きになれてしまうんやから!






(小さくて叩きやすくてな)
(最悪です!!)

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