ロンリーガール | ナノ

02さみしさは瞼に溶ける





「またサボりですか?」



昨日の今日で来やがった。
なんかもう幻覚かと思ってたが、
どうやら違うらしい。



里保は期待を寄せる眼差しで俺を見てきた。



「んだよ…」


「昨日の返事をまだ聞いてませんです!里保はお友達になって欲しいんです!!」



満面の笑みで語るそれに嘘はなさそうで、正直言うと心地良いものがある。


けど、つるむ気は無い。


俺と関われば里保にとって良いことにはならないのは確信しきれるんだから。




だったら……



「…お前さ、他に友達居ないのかよ?」



そう言うと今まで喋っていた声がピタリと消えた。


顔を覗けば、悲しいと言わんばかりの普通じゃない瞳をしていた。





「…里保…友達は……友達は、いません…」


でも友達100人作る夢があるんですよ?と里保は無理やり笑った。




冗談のつもりだったんだ。
こんな顔をさせるつもりなんて全く無かった。





「日向くん?」


「…………」

「あ、大丈夫ですよ?夢実現の為お友達に是非とも!!」



またいつもの笑顔に戻る。




「……知り合い程度にはなってやるよ」


「し、知り合いってなんですか!!
まぁ良しなんですかねぇ…」




あ!と何か思い付いたのか
期待の眼差しを再び向けてきた。



「日向くんの友達を里保に紹介して下さい!ぐっとあいであです!!」


「発音わる…」


「あ…つっこまれた…」







出会って二日目、
まだまだ謎が多すぎて不明だ。


でも……友達とやらも、あいつなら悪く無い気がする。



最も、自分が自分であることに変化は無いけれど。








(紹介してくださいよぉ…)
(…………特力行っとけ)

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