ロンリーガール | ナノ

01初めまして不良さん




もうすぐアリス祭とのこともあり学園内部は異常に盛り上がっていた。

勿論そんなの面倒だし参加資格もない俺ら危力系には無縁の話だ。


馬鹿ばかしい…
準備期間中は特に孤独だ。

流架も取り巻きも自分の能力クラスの出し物で忙しく、ここ最近はめっきり1人だ。

別に、1人だとかそんなことはどうだっていいんだ。


ただ……いらいらする。





中等部校舎の裏側にある樹齢100年とか噂で言われてるでかい木。


不思議と、1人の時はいつもここに来ていた。






「こんにちは!寝てます?」

「……あ?」


甘ったるい高い声。
閉じていた目を開け声の主を見る。




「そ、そんなに睨んだって里保怖くないですよっ!!」

「んなら身構えんな」


中等部の制服を着ているが見知った顔じゃない。

知らない人が居るのは当たり前だし別に気にはならないが、ただ、小等部の奴かと思った…。





「そんなことより!」

「なんだよ、早くすませろ」

「あう…言葉がきついです!!」

「はやく」




「里保は貴方に用があります、
里保の友達になって下さい!!」



前のめりな姿勢で里保と名乗るそいつは友達要請してきた。





「里保知ってますよ〜…毎日
ここに来てはサボってるのを!!」


「今ここにいる時点でお前もな」



しまった!と声をあげ慌てて反論しようとしてるが言葉につまっていた。




「うっ…取り敢えず!
里保と友達になって下さい!!」


「なんでだよ、今さっき知った人物と友達になんかなれっかよ」


「里保はずっと知ってました、ずっとずっと見てましたから!!」


今度は満面の笑みを俺に向ける。
ころっころ変わるその顔は自然と嫌いじゃなかった。




「だめですか?」


「……考えとく…と言うかお前本当に中等部の生徒なのかよ」

「最悪です……里保は小さいですが立派な13歳ですよ!!」



………13?
同じクラスなはずだ。

でも知らない奴だし…
誰なんだこいつは、



「あっ!里保そろそろ戻りますね。また明日ここで会いましょう」

「……………」



少女はいたって無邪気で、その時の俺は何ら思わなかったんだ。


また明日、それだけが頭の中でループしていた。






(噂の樹齢100年の木の下で)

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