ロンリーガール | ナノ

12涙腺過剰反応




アリス祭2日目。
只今パフォーマンス祭の真っ最中である。




初等部の第1審査が全て終了し、
今から中等部の審査が始まろうとしていた。






「あう…出番が近付いてきてしまいました……!」



中等部女子の部門で里保の
出番は三番目。


ステージ裏で待機中なのだが落ち着かず先程からずっとそわそわしっぱなしだった。





「どっ…どうしよう……」


「大丈夫か?えらく顔色悪いぜ」


「あ…美咲先輩……緊張して」


「ほら背中擦ってやる、うわ、お前の出番三番目かよ!ついてないな…」


「まったくもって最悪です…」





『続きましてNo.3の方!!』


会場ナレーションの声が響く。

美咲が落ち着かせようと背中を擦るも出番が来てしまった。




「い、行ってきます!」


「おう頑張れよ!」




緊張した足取りで里保は下手に向かった。





「(行かなきゃ…行かなきゃ!)」







──里保視点──




うわぁ……たくさんの人の視線がいっきに里保に!!!


逃げたしたい、です…



恥ずかしくて恥ずかしく
里保はもうっ…!




「可愛いってあの子!」


「すっげぇ顔赤いぜ!!」


「やっぱり恥ずかしいんじゃね?」



お客さんの声が全部頭に入ってくる。いつもより過剰に聞こえてくる。




「やっ…もう…!!」










「……泣いてる?」


「あっ!行っちゃった」




里保は急いで舞台から逃げました。



つい、泣いちゃいました。
……涙が止まりません。


怖くて怖くて足が震えてしまってうまく走る事が出来ないです。



ごめんなさい蜜柑ちゃん、
里保は、里保は弱いです…









「おい」


「ふぇ!?」


「泣いてんじゃねぇよ、バーカ」


「棗くん……う、煩いです!!
 里保は泣いてません!」


「嘘つくな、泣いてんだろ」



見栄を張る里保に棗くんは優しいトーンで話してくれました。


そっと頭を撫でてくれて、それがとっても心地好かった。












「もう、大丈夫か?」


「はい!すみませんでした……
でも、里保は復活しましたよ!!」


「極端な奴だな…」


「あれ…そう言えば棗くんは何でここに来たんですか?」



自分の番がまだとはいえ、いちいち会場の外を出歩くのも面倒だと思うのですが…?




「お前が…」


「里保ですか?」


「お前が泣いてたから」


「…え……」


「それと、まぁ、似合ってんじゃねぇか…それ…。幼児体型隠せるしな」


「なっ…またそれを…!!」




またな、そう言い放ち棗くんは会場へと戻って行きました。




それにしても今のは……
その…褒めてくれたんですよね?









(里保ちゃーん!)
(あ…蜜柑ちゃん、その…)
(第1審査通過したで!!)
(……まじ、ですか…?)

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