純粋って罪。俺一人を愛する、みたいなそう言う無償の愛みたいなのも罪。そんでもってお前のまっすぐな目は体に毒なんだ、だからその目でこっちを見るのはやめてくれよ。俺を見るな。俺は名前が思ってる様な男じゃないよ、これっぽっちもお前の事を愛してないよ。







「平助くんのためなら死ねる」







重い重い重い。名前が紡いだ甘い愛の台詞は、俺の鼓膜に辿り着くと同時に体を蝕む猛毒に変わる。ごめんな、悪いけどそう言うのはいらない。重い重い想い。名前の掌を染める赤を無言のまま舌で掬えば小さく跳ねる体がほんのちょっと愛しい。舌にじわりと広がる名前の鉄の味に興奮を覚える自分自身にほんのちょっと苛立つ。貪りたい。こいつが干涸びるくらいに血を貪りたい。







「わたしが死ぬまで血を吸って良い。体に一滴の血も残らないくらい吸っても良い…その代わりわたし以外の血を求めないで、ね」


「そんな無理なお願いはやめろよ」


「お願い、平助くん。おねが、」







縋る様なの声を出す名前の口を塞ぎ、思う。鼻をくすぐる香しい血液を一滴残らず飲んでも良い、か。それは良い。是非とも実行させて貰いたい。でも名前が死んだら俺は確実に他の人間の血を求めるだろう。こいつの願いは聞いてやれない。だけどこいつが欲しい。こいつの体を流れる血が、血が。一滴残らず。欲しい、欲しい







「わたしの、一生のお願いを聞いて」


「ああ、分かった。聞くよ」


「…ありがとう平助くん…」


「だから今から名前の血液、全部俺にちょーだいね」


「うん…良いよ。約束だもんね」







嬉しそうに笑う名前の首に刀を滑らす。ぐしゅ、ぶしゅ、ぶあああ。ああ綺麗だ、うまそうだ、いただきます。名前、名前。愛してるよ、名前。お前が干涸びる程に愛してやるから、な











はくおーきの藤堂平助くん^^
わたしはもしかして中二病なのか…?





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テーマ「人外ファンタジー」
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