小説 | ナノ




 某ぽぷらちゃんほどではないが背の低い彼女は三次元の中で好きだと思える存在のひとつだった。勿論ライクじゃなくラブの方の好きっす!どうやったら手に入れられるのか、とか考えてきたけど自分で言うのは悔しいがヘタレなのでなかなか行動できない。いま二人きりなのは狩沢さんのおかげだ、感謝感謝。さて、なにを話そうか。それにしてもいつも…


「かわいいっす」
「えっ」


 うわあああああ、なに言ってんだ俺は!いくら彼女がかわいいからって何を言ってるんだ!恥ずかしさで火が出そうな顔を手で覆って、思わず口から出た言葉を慌てて訂正しようとする。


「ま、前から小動物みたいでかわいいなーって思ってたんっすよ」
「…わたしが?」
「他に誰がいるんっすか!」
「いやいや、ないよ」
「ペットにして家で飼いたいくらいかわいいっす!」


 また俺は余計なことを口走ってしまった…!これは流石に思ってても言っちゃ駄目でしょう、ドン引きされる!とパニックになっていれば彼女は小さく声を出して笑う。


「遊馬崎くんの思考は面白いね」
「そうっすか?」
「ペットって二次元みたいだね」
「あー、なるほど」
「遊馬崎くんが飼い主なら毎日楽しそうだね」


 彼女が笑ってくれたならかっこわるい失敗でも別にいいかと思えてしまうくらい自分の胸もほっこりする、あとで恥ずかしさに殺されそうになるけれど…そう考えていたのも束の間、彼女が突然浮かない顔をした。


「どうしました?」
「でも寂しくなるよね」
「なにがっすか?」
「ペットならいつか彼女連れてきたら見せつけられちゃうじゃない」
「俺はあなた一筋っすよ」


 最初はポカーンとしていた彼女がいきなり顔を真っ赤にさせる、照れる顔も可愛い…じゃなくて俺は何を言ってるんだ!これはごまかせない、ならもう言うしかない。


「俺のペットになってください!」
「ペットは嫌だよ、遊馬崎くん」
「…間違えました!彼女になってください」
「喜んで」


 めでたくハッピーエンド、ペットにもなってくれないかなと思うけどそれは欲張りなわけなので暫くは自重するっす…多分。この流れを撮っていた狩沢さんがいたとかいないとかっていうのは後々の話。


わんにゃんハッピーエンド



20120522
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