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賑やかな音楽にのせて、滑るようにスポットライトが踊っている。
上下左右縦横無尽に劇場の中を動き回ったそれはやがてステージへ集まっていって、じゃーん、という音とともに数匹の生き物を照らし出した。

見た目からもかわいい生き物が綺麗なグッズを身にまとって、音楽に乗って踊っている。

「(かわいい)」

かわいい生き物は好きだ。どっちかというと生き物は好きな方だし、女の子が嫌いそうな虫とかトカゲだって大丈夫な方だ。

だがここは何かおかしい。

不意に芽生えた違和感に首を傾げながらステージに目を凝らす。

「あれって…」

灰色の大きな耳と大きなしっぽを持ったふわふわの生き物。
とがった耳といかずちの形をしたしっぽの黄色い生き物。
ピンクで丸い、ボールのような生き物。他にも、いろんな生き物がいる。

そこまで見て、やっと違和感の正体に気付いた。

「は、」

私の頭はおかしくなってしまったのか。疑いたくなる目をこすってもう一度よくステージを見る。本物だ、ほっぺたつねっても痛いし。

隣に座ってるそこのお姉さん、変な目でこっち見ないでください。



境界を超えた日




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