novel | ナノ


◎ごちゃまぜツイッターSSlog

お互いの手を握ったまま、巻き上がった爆風に押されながら瓦礫の中を駆け抜ける。「ナマエさああん」「レオ、頑張って!」ナマエさんが仕掛ける血のトラップの数々にもかかわらず、追手は僕たちを追いかけるのを諦めない。次々飛んでくる銃弾や刃物、それが頬をかするたびに僕の足は竦んでしまいそうだ。それでも握った小さな傷だらけの手が強く訴えてくる。彼女の手を握っている限り、僕は、僕たちは勝利するのだと。

---レオとお花ちゃん


「見つけて欲しいと思いました。そしてその術で殺して欲しいと」友人と呼べる関係だった。美しい人だと思っていた。そして...愛していた。裏切られたという感情は心を、暖かな優しい記憶を黒く塗りつぶしていく。抵抗しない彼女に、その命を"密封"するため拳を押し当てる。ずっと前に教えられた名前を、いや、諱名を口にする。「貴殿を、密封する」穏やかに笑う彼女は、他のどのそうされるBBよりも、幸せそうだった。

---クラウスととあるBB


自分は人間から生まれた。それなのに生まれ持った足だけ、別の生き物のもので。『悪魔の子よ!!』呪いだ何だと気味悪がられ、遠ざけられた私は逃げるように故郷からHLにやってきて、彼と出会った。「貴女も、独りなんですね」「...うん、そうなの」水槽の中に住む彼。同族がいないという孤独感だけが、私たちに通じるもの。すっかり人にも異界人にもなれない私たちはひっそりと笑いあった。

---ツェッドと悪魔の子


「さよなら、ザップ」悪かった、の一言は素直になれない自分が押し止めていえずじまい。そのまま消滅してしまった関係に、ここまで後悔したのは先にも後にもアイツだけだ。見たことない男の顔を見て笑うアイツに、今なら謝罪できると思った。しかしそうしたことろで、アイツは俺の腕の中には二度と戻ってこないのだ。

---ザップと取り返せない子


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