7周年/狂気的独占欲 | ナノ

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【僕に黙ってなにしているの?】


魔法とともにある世界・フィルド・グラス
自然が多く、大樹ユグドラシルに守られたこの星は、生命の源であり、魔力の源でもあるマナで溢れていた。
フィルド・グラスの聖地・カカルに厳かにたつ、大樹ユグドラシル。
その大樹はこの世界に1本しか生えておらず、実際に見られるものは極僅かと言われている。

 この地では、魔物と天使たちが存在しており、それぞれ種に合わせて生活している。

フィルド・グラスの地は、場所によっては極寒の地であったり灼熱の地であったりする。種によって、生きていける場所は様々だ。
猛吹雪がふき、太陽が姿を現さない地を好むものもいれば、灼熱地獄のようなマグマで生活をする種もある。
稀に魔力を使い、とても他の種族がたどり着けない場所に根城をおく種族などもいる。


生命の源・マナの恩恵を多く与えられたこの地ではそれぞれの種族によって魔法が使うことができる。
黒い羽を持つ悪魔、白い羽を持つ天使。
人を石に変えるメデューサに、精霊、それからペガサス等など…。


 姿形は種族によってまったく別物であったり、また思想や思考もまったく異なるものであったりする。


この地に住む世界の住人の種類は本当に多岐にわたり、どの種族がどれほどいるかはさだかではない。


寿命も違えば誕生の仕方も、文化も風習もそれぞれに違ったりもする。
もちろん、頭脳も魔力も違う。
非常に獰猛で凶暴な種族もいたり、おひとよしすぎる種族もいたり、正義感溢れる種族がいたりと、その性格はバラバラであり、貧弱な種族は絶滅した過去もあったりしたらしい。
なかには絶滅した種族しか使えない幻の魔法もあったりしたらしい。





大まかにこの地の種族をわけると2種類にわけることができる。
闇の力を使い魔王サタンを敬う種族…主に魔族と、光の力を使い神、テオスを敬う種族…主に天使や精霊等だ。


闇の力を使う種族は、全体的に身体に黒色が強くでることがある。
髪や羽、しっぽなんかは基本黒色なものがおおい。
対し、光の力を持つモノは黄色や白が強くでる傾向があり、羽や髪は白や金色に近い色を持つモノが多い。
性格も天使が温厚で美しいものを好むものが多いのに対し、魔族は凶暴で破壊を好むものが多い…らしい。


 異なる種族故、当然反発しあうこともあり争いにまで発展してしまうことも多々ある。
ときに魔法でこの地を消し、同胞さえも巻き添えにしてしまった、地塗られた歴史すらある。
今は平和条約により規則が定められ、表向きは(平和)ではあるが・・・。





 そういった過去の過ちから、この世界では人型の姿を持ち、知能があるものは、皆ある一定の年齢になると「学園」に入り卒業するまでは、魔力の使いかた初め、色々と学ぶことになっている。


この学園は、光魔法を扱う種族も闇魔法を扱う種族も均等に集められていた。


 それぞれの種族と交流しながら、魔力を高めあい、もう2度と過去のような種族の違いによる争いを起こさないため、らしい。


学園に入るのは、どんな種族でも例外ではない。


この地に住む人々は一定年齢に達すると、このフィルドグラスの各地にある学園に入学することを余儀なくされる。





 インキュバスのハーフである俺も、それは例外ではなかった。





「レイト・ポーリア」


それが、俺が通う魔法学園の名前である。
辺地マルビスの森深くにある学園。
学園はマルビスの森の木々に囲まれていて、周りにはなにもない。
広大な森の中、巨大な学園の建物がぽつん、と存在している。


この学園は良家子息が集まるので有名で、実際通っているものは、この世界でも名家ともいわれ、この世界を支配する神や魔王の近くにいるものの良家子息のおぼっちゃまばかりだった。


極一部の例外をのぞいては。

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