早川くん可愛いよ早川くん
お休みの日のクラブ活動が終わると、私の家に飛んできてくれる早川くん。正直、年下の恋人(しかも学生…)なんて絶対にごめんだわー無いわー可愛いとか理解出来ないわーお金かかりそうだわー面倒だわーゴム着けれンの?育てるとか無理だわーないわー…ないわーって思っていたけど、全然…ぜんっぜん!!あの頃の私バカ本当にバカ私ファック!年下可愛いッやっばい!!あ、年下って言うよりか早川くん?!これアレ早川くん!!本当に可愛いの早川くん本当に何この子かわッかわいい…!!

具体的に言うとまずは顔。いかめしい眉に似合わないくりんくりんの目に真っ直ぐ見つめれちゃうと、な、なんて言っていいのか…体の中心の何かが溶かされちゃうみたいでもう、すっごい、すっごい興奮しちゃって…!!あッ、わ、私ッ!!本当に…!!「おなまえさんッ!!」とか舌っ足らずに呼ばれちゃうと、足腰砕けちゃって…私も「早川くんッ!」って飛びついちゃう、なんかもう、そういう…世のため人のため、速やかに爆発したほうが良い感じの、鬱陶しいカップルになっちゃってるわけなんだけど…なんていうか、早川くん、すごく、誠実で、一生懸命で、可愛いんだけど、もう…勢いあまってすっころんじゃってる感じがたまらなく可愛くって…!!あ、というか早川くんおっきいの!エッチな意味じゃなくってね?!(あ、そっちも…その、小さく、は…無いんだけど…)ぎゅん!って抱きつくと、ばふんッってたくましい胸板に…胸板が…す、すごくて…!!抱き返してくれる腕がこれまた高校生が所持してていい包容力を超えてて、安心感が半端じゃあないの…!!「おなまえさん!おなまえさん!」言って、ぎゅうぎゅう抱き返してくれるし、むしろもう持ち上げられちゃって、部屋の中なのにくるくる回されちゃうの…ああ、もう…本当に、無邪気で可愛くって…たまんない…年下…すごい、なにあの破壊力…兵器だ…若いって罪深い…

じゃあ、なくってですね。早川くんが可愛いってのはもう100年前から分かってたんですよ、私。この間確信を得たんですよ。小腹が空いたって早川くんと、たまたま棚にあった「混ぜてマグカップでチンすりゃカップケーキになるんじゃねぇの?」ってもこもこカップケーキを一緒に作ったとき。2人で仲良くマグカップ持って(裸足でお互いの足踏んだりしていちゃつきながら)まぜまぜして、オーブンに入れて(腕からませあったり肩とか首とかにちゅうし合いながら)焼きあがるの待って、(早川くんの股間に意図的にお尻をこすり付ける私と、全然気が付いてない早川くん)2人で耐熱ガラス越しにカップケーキがむくむく大きくなっていくのを眺めていたとき「なんか、飲み辛そうですね!」って笑った早川くんに…わ、わたし…私は…「カップケーキだって言ったでしょッ☆もうッ、早川くんのおっちょこちぃさん!」なんて言えなくって、も、もう…打ち震えながら雄たけびを上げて早川くんに襲い掛かったんです。はい。えっと…ほら、もう早川くんのお話してると全然冷静じゃいられなくなるね。まいったまいった。で、なんだっけ?そうそう、早川くんって本当に可愛いの。可愛くっておっきくって無邪気で私の事大好きでいてくれてクラブ活動がんばってて結構性的に無頓着…な、可愛い…かっっか、かかかかくぁッわ、いい…恋人、なん、だけ…可愛すぎて吐きそう…


「早川くん?」

返ってくるはずの元気な「はいッ!!」は無くって、かすかに聞こえるのは穏やかな寝息。キッチンでクラブ帰りお疲れ様ーな早川くんにウェルカムミルク的ななにか飲み物をと思ってカフェオレつくってあげたんだけど、あら…あらら?ベッドで寝ちゃってる早川くん。ショックに落っことしそうになったマグカップを、一度テーブルにおいて…もう一度ベッドを確認。手足を放り投げて仰向けに転がってる早川くん…え、なに…それ…信じられない…。…一応弁解はしておくんだけど、今の信じられないって言うのはもちろんアレだよ?「彼女の家に遊びに来ておいて寝るだなんてサイテー!ぷんすかぷんッ」の信じられない…じゃあ、ない。ロマンスの神様ありがとう…こんな美味しいシチュエーション本当に私なんかに起こっていい奇跡なんですかジーザスアーメンザーメンわお!マジ信じらんないぜッ!!って方の信じらんない…って事で、溢れそうになるよだれをぬぐって、私はベッドに、早川くんに触れない位置に腰を下ろした。

「はーやかわくーん?」

呼びかけるように、でも全然起こす気なんてないの。自分の部屋で人が寝てるのってなんだか不思議な感じ…。エッチしたあとは自分も一緒に寝ちゃうから、こんな風にがっつり早川くんの寝顔を見るなんて初めてかもしれない…。感情に激動する眉は安らかで、ぷくっとしたまぶたが早川くんの瞳の大きさを物語る。口なんかちょっと開いちゃってて、少し突き出た上唇が愛らしい。学校の指定のグレーのジャケット。呼吸の度に膨れる体がおもちゃみたいでおかしかった。起きちゃうかな?と思いながらも、触れずにはいられない。胸にそっと手を乗せてみても全然起きる気配はしなくって、ただただ早川くんの心臓の音がどくんどくんと私の手に伝わってくるだけだった。ああ、なんだ…これ、この感じ…愛しさってのは尽きる事が無いんだな…こんこんと湧き出る泉だっていつかは枯れるかもしれないけど、私のこれはきっと永遠だな。とどまる事を知らないな。純粋なほうも、ちょっと…大人な汚れに満ちたほうも…

静かにネクタイを緩めて、こっそりシャツのボタンを外し、そっとシャツをはだけさせてしまうと、クラブ上がりの早川くんはそういう習慣なのか、はたまた私に会うため急いでくれたのか、インナーを着てなかった。…お、男の子って…そういうものなのか?いや、その…早川くんに気づかれなければいけるところまで脱がせちゃおうって思ってたけど、唐突に現れた大好きな胸板に、正直動揺を隠しきれない…!!なッ、ほ、本当に…早川くんッ!!何その肉体美ッ!!幼い顔にその体何?!顔面は子ども肉体は大人ッ?!い、いやらしい…けしからんわッ早川くんもう大好きッ!!たまらんッッ!!!!っは!そ、そんな…事、考えてる場合じゃない…!!いや、どんな事を考えてる場合なのかも分かんないけど…と、言うか…早川くんさ、こんな風に寝てる間に簡単に脱がされちゃうってどうなの?大丈夫なの?学校で、な、なんか…女の子、とか、女の先生とか、保健室のエロい先生とか…に、そ、その…エッチなこと、されたりとか…だ、大丈夫なんだろうか?!暮らしてる世界が全く違う私たちだから、そういうの…不安に思ったりすることも、度々あったけど…まっさかー!で笑い飛ばしてたの…早川くんも、「おなまえさんが1番っす!」って、エッチの時もそうじゃない時も何度でも何度でも求めれば言ってくれるし求めなくたって言ってくれる。態度にも表してくれるし、オムライスに「バスケ」って書いて満足そうに微笑んでるのを、私としては穏やかな気持ちで見てたはずだったんだけど、私の事見ると急いでスプーンでケチャップ削いじゃってから「おなまえ」に書き直してくれたり…と、とにかく!!早川くんは私と愛し合っているので、早川くんからフラフラ他の女性のところに言っちゃう事は無いと思うんだけど…逆は、どうなんだ…?早川くん、可愛い…もんね…

早川くんのお股にまたがって、丁度おちんちんの上になるところにお尻を乗っけて、なんと言うか…その、パンツ越しズボン越しにエッチしてるみたいな倒錯感を味わってみる。ああ、全然かたくない早川くんってなんだか可愛いぞ、可愛い…可愛いは作れるって言うけど、早川くんは可愛いを大量生産し続ける年中無休24時間運営の大規模工場だな…寝てるだけで、こんなにも、可愛いんだもん…。はぁ、ってちょっとだけ熱っぽいため息が漏れる。もっと、早川くんと密着したい、もっと一緒になりたい、もっと、もっと…そう思って、もっと早川くんと私がぴったりフィットできそうな位置を探してお尻をくねらせてると、えっと、なんだ?これ…完全に、私変態なんだけど…ごめん、早川くん…濡れてきた…

「はァ、早川くん…」

ゆっくり体を倒して、早川くんに重なると、むき出しになってた胸板にぴったりを耳を押し付ける。どくんどくんは変わることなく刻まれてて、ちょっと悔しいような、でも安心したような不思議な気持ちになった。ああ、早川くん…あったかい…。…あッ?!う、わッ?!な、何この子?!な、んか…めちゃめちゃいい匂いッする…!!えッ制汗スプレー?!す、ごい…シトラスの、いい匂い…が…ぐっふ…!!あ、あまりの衝撃に…気管支ッ私の気管支が…ァっ!!

「ん…むァ、おなまえ…しゃん…」
「っげほ、うッげほ!はッか…はやかッくゥッ」

あ、やばッ…!お、起こしちゃ…ってか、脱がしちゃった乗っかっちゃったやば…未成年淫行罪で訴えられたら完璧に負ける…!!エロい事とアホな事しか考えてない私なのに、早川くんはとりあえず目の前でむせ込んでる私の背中をさすって「お、落ち着いてくださいッ」って困って泣きそうな顔をしてくれて…!!なッ、もう…この子、この子天使ッッ!!天使ぃー!!

「ごッ、ごめんね、早川くんッ」
「もう大丈夫ですか?って、え?!オ(レ)なんで?!服…」
「ごめん…私が脱がせました…あ、の!!だってね?だってね?!寝ちゃってる早川くんが可愛くってね?!始めは、その全然えっちな意味なんて無かったんだよ?わーネクタイ苦しそうだなーって思って!ネクタイを外したんだけど、そしたらシャツも…ね?ボタン3つくらい開けちゃったら、もう3つも4つもおんなじだー!!って脱がせちゃって…そ、そしたら…なんか…ちょっと、その…ムラムラっと、魔がさして…早川くん、いい匂いする、し…なかなか、起きないから…その、えっと…ご、ごめんなさい…」

ベッドの上で土下座して早川くんに謝ると、許してくれるって確信はあったはずなのに、なんだか返事が遅くて…え、ちょっと…も、しか…して、ヤバイ?こ、れ…早川くん、めっちゃ怒ってんの…か?!それとも、ど、ドン引き…?どちらにしろ、反省の汗が滝で酷い…引きつりそうになる顔を抑えつつ、頭を上げてみると

「はッ?」

真っ赤な顔でぽろぽろ涙をこぼしてる早川くん…え、は?あ、の…な…泣かせた…。年下の彼氏を、泣かせた…淫行で泣かせた…泣かせた、泣かせた泣かせた泣かせた…大好きな早川くんを泣かせてしまった、可愛くて純粋で一生懸命で私の事1番だって言ってくれる…早川くんを…な、かせ…

「あッ、スンマセっ…オ(レ)っ」
「ごめんなさ…ごめッ…わたしッ」
「ちッ…がうんです!!おなまえさんが、わ(る)いんじゃなくてッ!!」

ぎゅっと私の両肩を掴んだ早川くんは、もう隠せない泣き顔をもっともっと真っ赤にしてぼとぼと涙をこぼした。かッわいいなァ!!もう!!くそうッ!!歯を食いしばって鼻水をすすってる姿が、本当に…たまんな

「いッ、いや(ら)しい夢…みちゃってて…!!おなまえさんのベッドで…オ(レ)っ…オ(レ)ぇ…ほんとッ…スンマセっうぅッ…!!」

年下万歳

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