今吉くんとのんびり
昼休みには出来うる限り、中庭で2人っきりでお弁当を食べるのが約束。そんな風には見えないけど今吉くんは結構な大食漢で、お家で用意してもらったお弁当とは別に購買で買ったお惣菜パンを2つと私が持ってくるスナック菓子を半分ぺろっと平らげてしまう。それでも、ふーおなかいっぱいっ!って感じじゃなくって、やっとおなか落ち着いたーって感じで毎度圧倒されてしまう。よくもまぁそんなにおなかに入るものだ…、まぁ体大きいし部活がキツイからしょうがないんだろうけども…育ち盛りだしね…

「おなまえちゃんの方が不思議やわァ、よくそんな小ぃさいおべんと箱で足りるねェ?」

私の3倍は食べる今吉くんと私がお昼を食べ終わるのはどうしてか同じタイミングで、私がなんでそんなに食べるのが早いのかって訊いたら、今吉くんはおなまえちゃんが遅いんやで?って笑った。今吉くんはいっつも笑ってばっかりだけど、特に2人っきりのときといったら笑い通しで顔の筋肉が疲れてしまうんではないかと思う。私が花壇に腰掛けると、地面に座った今吉くんが膝小僧の間にこんっと頭を寄せてきた。ぱっと脚を開くと丁度太ももの間に今吉くんの頭が納まってなんだか可愛い。男の子にしては長い黒髪が、しゃりしゃりっと音を立てて太もものうちっかわをこする。

「くすぐったい」
「大胆な子やわァ」
「なんで髪のばすの?おしゃれ?」
「誘われとるもんと勘違いしてしまうよ?」
「結んでみていい?ツインテとか萌えーだよ、萌えー」

胸ポケットから小さなコームをとりだして今吉くんの黒髪にさしてみる。部活やって汗かいたり、タオルでわしゃわしゃーってする所為だろうか…結構からまっててッチッチとコームが詰まる。話が噛み合ってないのはいつもの事。だって、こんな無駄なおしゃべり実際相手に通じてなくたってなんの支障も無い。私だって本気で今吉くんの髪の毛のお話をしたいわけじゃないし、今吉くんだって私にふとももで頭を挟まれただけで発情しちゃうようなアホガキじゃない。天気が良くて、今吉くんの黒髪はすぐに太陽熱を吸収してぬくぬくと温かくなっていく。全体的に一通り梳き終えると、後は指で直に髪を集めたり散らばしたり、耳にかけたりオールバックにしてみたりと手触りを楽しんだ。

「1年生のあの子みたいにさ、ばっさり切っちゃってもかっこいいと思うんだよね」
「あの子ォ?」
「青峰くんだっけ?あの子」
「あかんよォ、これ以上かっこようなったら困るのおなまえちゃんやで?」
「私は嬉しいと思うんだけど?」
「あらら、危機感足りへんねぇ?浮気とかしたらどうすんのん?」
「あー…、あー…うーん」

太ももを摺り寄せて今吉くんのちょっと冷やっこい耳の形を感じる。耳たぶはふとももに負けないくらい柔らかくって、溶けて一緒になっちゃいそうなのに、軟骨がこりこりしてて太ももの奥の筋肉にその存在を主張してくる。かちゃかちゃ眼鏡が動いて音を立てたけど、今吉くんは何にも言わないしちっとも怒ってない。ポケットから鏡を取り出して今吉くんに渡してみると、なんで渡したんだろう?みたいな、偽物のバナナを渡されたサルみたいな反応を見せる。

「今も十二分にかっこいいけどね、今吉さま」
「これでおなまえちゃんのパンツ見えへんかな?」

私の話なんてきかないで鏡をちらちら反射させながら私のスカートの中を映そうと遊びだす今吉くん。悪戯っぽく笑って私の事を見上げる。恥ずかしがったりして欲しいのか、本当は恥ずかしがってるけどそんなの気づかれたくないって強がってるのを見たいのか…だいたいそんな小細工し無くったって、見たいって言ってくれればパンツだろうとブラジャーだろうとお尻の穴だって見せてあげるのに…。私はスカートのすそを持ち上げて今吉くんの顔にかけた。丁度ぴったり顎までスカートの中に納まって面白い。今吉くんの長くてあたたかくなった髪がパンツに触ってるのが分かって気持ちよかった。

「おー、これアレやね。紫外線対策になるね」
「屋内部活は日焼けすると格好付かないもんね」

スカート越しに、眼鏡だけがくっきりと分かる。鼻があるはずの部分だけがピッとスカートを持ち上げててなんか私にチンコがあって少しだけ勃起でもしてるみたいだ。鼻のてっぺんで盛り上がったスカートはテントを張っていて口の存在が確認できずに緩やかな坂になって顎にたどりつく。プロレスの技みたいに組んだ両手で今吉くんの顎をつかんで、ロマンチックにもキスしてやろうと思い体をゆっくりと屈める。特別からだが柔らかい性質でもない私だから、ゆっくり今吉くんの口の位置を見定めながら近づいていっても、全然くちびるが目的地に追いつかなくってむしろ通り越して顎にすらキスできなかった。

「おなまえちゃーん、おっぱいあたってるでー?」
「へへへ…儲け儲け」

「あんたら何してんだよ…」
「あー、青峰くんだー」
「青峰ー、おなまえちゃんは先輩やでェ?敬語使いやー?」
「スケベの店かと思った」

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