小金井先輩とはちみつレモン
午後練のために制服着替え用と思って部室入ったらもうみんなは着替え済んじゃってたみたいで、ひとりぼっちでちょっとさーみしーなーとかなんとか思いつつも早く着替えちゃって練習参加しなきゃカントクや日向にどやされちゃうしーってもぞもぞ制服脱いでるとこっそーり部室のドアが開いた。

「あっ、あの!小金井先輩!!」
「わっああ、おなまえちゃんか!びびったー!」

こっそーり顔を覗かせたのはうちのかっわいいマネージャーのおなまえちゃんで、おなまえちゃんはもうちゃんと、練習着に着替えてて、あー早く来いって呼びに遣いに寄越されたかなー?って思ったけど、なんだかおなまえちゃんのこそこそした態度はどうも違うっぽいぞー?うむむー?とりあえず俺も練習着をがぼっとかぶってバッシュもって部室でようと思ったらおなまえちゃんに呼び止められた。

「小金井先輩!ちょっとお願いしたいことが…!!」
「ん?オレ?えー?なんか役に立てるかなぁ?!」

器用貧乏とか言われ続けて約2年。こんな風に名指しで「お願い」とか「頼む」って言うのがなくって、別に不満があるわけじゃないけど、もちろん「誰でもいいけど…じゃー小金井で」より「小金井先輩!お願いします!」のほうが有り難味あるし気持ちいいしそれにおなまえちゃんに頼まれるとなんでもしてあげたくなっちゃうし、とりあえずおなまえちゃんからの「お願い」はオレにとって素敵なことで好きなことだから、もう一瞬で!日向の罵倒とかカントクのペナルティとかそういう不安要素がすわわ〜んと虹の彼方へ飛んで行っちゃった。

「なになに?なんか運ぶとか?」
「いいえっ!!あ、の…これ…なんですけど」

どんな栄誉ある使命なのかわくわくしたけど、そんなオレの予想をおなまえちゃんはごそごそ取り出したなんか大きなタッパーを空けるばっこん!みたいな…真空パックとか開ける時のあの音、なんだろうすげー特長ある音だけどなんて表現していいのかわかんない音あのばっこん!みたいな音でかき消した。とたんに漂う、甘いような酸っぱいような単純で複雑なでも嗅ぎなれたにおいがした。なんだっけこれーあーあの水戸部が作ってきてくれるやつだ!あの試合の途中でねー、栄養補給のあれだー!!

「わー!うまそー!!」
「はちみつレモン…作ってみたんですけど」

恥ずかしそうにタッパーを下げてしまうおなまえちゃん。「あんまり自身が無くって」ってちっちゃーい声でつぶやいて、軽く蓋を閉めちゃった。いやー!カントクのまるごとレモンよりは全然!!全然っ!!カントクの前じゃ絶対に言えないけど!!!!

「そうかな?オレはすげー上手に出来てると思うよ!!ってかおなまえちゃん、公式試合でもないのにそれ作ってきてくれたの?」

すげーなー!すげーなー!!こーいうのを女子力とか言うのだろうか?!これがあの大和撫子と言うのだろうか?!とにかくレモンの酸っぱいにおいとはちみつのあまーい匂いの所為で口いっぱいによだれがにじみ出てくる。でもおなまえちゃんの前でよだれ垂らすなんてかっこ悪いことできるわけないから一生懸命小さく回数を分けて呑み込んだ。

「いつも、水戸部先輩が作ってきてくれるの…なんか悪いなーって思って…水戸部先輩だって、選手なのにーって」
「やっさしーなー!おなまえちゃん!!それ水戸部に言ってみ!!ぜってー喜ぶよあいつ!!」
「そんな…マネージャーとして当たり前の事をやってるだけですよう!」

いやーかわいいなーおなまえちゃんかーわいーなー!しゃがみこんだオレの前にぺたんと座り込んだおなまえちゃん。もう一回ぱこっと蓋を開けて、どろーんと重たそうなはちみつの海を覗き込んで不安そうな顔をしてる。黄金いろの鏡におなまえちゃんの顔が映ってるけど、はちみつは鏡みたいにちゃんとそのままを映してはくれないのでぐにゃんぐにゃんの変な顔になってる。

「小金井先輩、味見していただけますか?」
「え!!いいの?!やったやったー!!」

それじゃ失礼してー、はちみつの中に指を入れて薄切りのレモンを頂こうと思って手を伸ばしたんだけど、なんかオレが思っていた事とは全然違う事がおきた。

「え?…おなまえちゃん?」

ぐにーんとはちみつを自分の指で掬い取るおなまえちゃん。びよーんとはちみつを海から伸ばしてまだたらたらこぼれてるそれをオレに差し出す。ん?…ん?!ちょッよく意味が分かんない…!!なんかおなまえちゃんすっげぇ意地悪な顔してるし…!!いまの一瞬でオレとおなまえちゃんに何が起きたの?!

「舐めて、くれませんか?」
「…はぐ」

オレの指じゃ汚いからタッパーに入れて欲しくなかったのかなー?とか思いながら、とりあえず差し出されたからおなまえちゃんの指をくわえてはちみつを食べる。うーん、美味い。ってかはちみつ…ってこんな味だったっけ?なんか…不思議な味?がするー…不思議な味ってか、水戸部がつくるのと味が違う…はちみつの会社によってやっぱ違ったりスンのかなー?うむむ…でもなんか…もっと、ちがう…もっとなんか違う…味見に必死になってとにかくもぐもぐむぐむぐおなまえちゃんの指のはしみつを舐めしゃぶりつくした。なんかおなまえちゃんがはぁはぁ言ってるような気がしたけど多分オレの勘違いだ多分…

「はぁ、はぁ…どうですか?」
「んー、なんか、さ!なんか!ちょっとだけ薬?みたいな味がした気がした!!」

素直な感想を言えばおなまえちゃんはぱぁああ!!っとお花が開いたみたいに笑って、うおッ!!可愛いッ!!って驚いて、しりもちつく所だった!!なんだ今の!!可愛いなあ!!

「気づいてくれたんですね!そうなんです、隠し味に生姜とシナモンを!!やっぱり小金井先輩に食べてもらってよかったー!」

ぽんぽんポップコーンがはじけて飛んで散って部屋をにぎやかにしちゃうみたいにおなまえちゃんからぽんぽん幸せオーラがはじけ飛ぶの見ながら、わー可愛いなー!っていうのと、おなまえちゃん料理も出来るんだなー!!すげーなー!!可愛くて料理できてマネージャーもちゃんとやってすげーなー!!可愛くてすげーなー!!って笑ってるおなまえちゃんに見惚れた。そしたらおなまえちゃんがさっきよりもっといっぱいに指にはちみつを乗せてオレに差し出してきた。今度こそ本当に何の抵抗も無くぱっくり指をくわえる。さっきみたいにべろべろもぐもぐおなまえちゃんの指を食べながら、あー!なるほど、これがしょーがの味かなー?これがしなもんの味かなー?って一生懸命考えてると、おなまえちゃんが急にぬるっと、オレの口の中から指を引き抜こうとするから、まだ食べ終わってないオレとしてはぬお?!って焦って、反射的に顔でおなまえちゃんの指を追ってしまった。空気とかよだれとか急いだ拍子に一緒にすっちゃって、じゅびじゅぼぼ!!みたいな音がした。

「んァう…!!っ小金井せんぱいッ!!」
「ンむにゅ?!」

いやしい奴だと思われたかも?!本当は指に付いた分のはちみつも、美味しいからじゅーっとすすりとっちゃいたいけど、なんか嫌がられそうな気がして…あと、おなまえちゃんの大きな声にビビッて、ぱっと口を開いておなまえちゃんの指を口から出したら、はちみつと混ざったオレのよだれが、みにょーんと伸びておなまえちゃんの手を汚した。…!!やっべ!!

「ご、ごめんね!!おなまえちゃん…!!」

急いで自分の着てるシャツ捲り上げておなまえちゃんの指をはちみつごと拭い取る。ぬるりぬるり何度もぬめって、やっとおなまえちゃんの指が綺麗になった頃に、なんだかこれってすげぇ変なことしてんじゃねぇのオレたち…!!って思って、急にすげぇなんかあの、指…なめるとか!!エロいんじゃねぇの?!オレすげぇエロいやつだとか思われちゃったんじゃないだろうか?!いや、でも指差し出してきてなめろって言ったのはおなまえちゃんだし!!…?!って事はおなまえちゃん?!おなまえちゃん、実はエロい子なの?!はちみつとか…つかって…きゃぁあああぁぁぁああぁぁああ!!ど、どどど…どうしよう!!今更だけど、ん?今更ってのも可笑しいけど・・・お、オレ…いま、すっげぇ勃ちそう…!!

「おなまえ、ちゃん…!!あーあの、その…そろそろ」

練習に、って言おうと思って、練習とか言ってとりあえず1回トイレに行って置きたい気持ちでバッシュを手に取るとおなまえちゃんが笑った。すっげぇ悪い人みたいな顔で笑った。

「そうですね、そろそろレモン…食べてみてください」

全部聞き終わる前に、おなまえちゃんにむっぎーんって顎をつかまれて上を向かされて、立ち上がったおなまえちゃんに覆いかぶさられた…!!まっすぐに踏み潰されたアルミ缶みたいに床に崩れるオレと、そんなオレに覆いかぶさるおなまえちゃんははちみつたっぷりのレモンを摘んですごく楽しそうに笑った。レモンが揺れて、ちゃんとオレの口の中にはちみつが入らなくて、顎とかほっぺたとかにたらたらぬるぬるはちみつがかかる。どうにかそれを舐めとってみようとべろを動かしてみたけどとっても届きそうに無い。と思ったら作戦無しに動き回るオレのべろにおなまえちゃんのべろがぶつかった。顎もほっぺたもくちびるもべろも、おなまえちゃんにべろべろれろれろされて余計にはちみつが伸びてさらにはよだれまみれになって「やめて」って言おうと思ったところに輪切りのレモン突っ込まれて、しかもそれがすっげぇ美味くて感動して「うまい!」って言おうとしたところにぶっちゃーん!とおなまえちゃんのべろが突入してきた…!!

「んっむふぁッ、くちゅむち…じゅぶぐちゅ」
「むぱッおなまえちゃぬッくちゅ」

…ダメっ!!ダメだめダメだめだめぇぇぇええぇえぇぇえ!!!!こっこんなのダメだ!!いや、だめじゃないけど、すっげぇきもちいいんだけどきもちよすぎるっていうかえろすぎるっていうかあのダメ!!お、おれ…これ以上されちゃうとッ勃つ!!苦しいのと甘いのと酸っぱいのとレモンの皮のちょっとしたでこぼことおなまえちゃんのべろとよだれともうなにがなんだかわかんなくって本当に全部が全部できもちよくてもうだめ勃っちゃう勃っちゃうぅううぅうぅう!!!!

「あふゥっ先輩っかわいい」

おなまえちゃんんん?!なんでっなんでオレのシャツ脱がそうとしてんの?!どーいうこと?!なんでそうなるの?!あッやだっだめぇっ!!そ、こ…!!こすっちゃ、あっあっああぅッ!!〜がぁああぁあ!!勃っちゃう勃っちゃうぅぅううぅ!!口の中でおなまえちゃんのべろが器用に動き回ってレモンの皮のわっかにオレのべろ通したり、くるくる回して遊んだりわざとはちみつとよだれに空気混ぜておおきい音出したりされて…もうそれだけでもいっぱいいっぱいなのに、おなまえちゃんの手がオレのおっぱいの部分こすったりつねったりなでたり、ムリなのにもんだりしてきて大変な事になる…!!苦しいし気持ちいいし美味しいしでも勃ちそうで困るしでもおなまえちゃんやめてくれないしいよいよ泣きそう…!!ってのに!!おなまえちゃんの手がおっぱいのところから腹筋なぞって…あッあ…ああぁっぁあああぁぁああああ!!!!!!勃っちゃ…いやぁぁあああぁぁぁああぁあ!!

「…おなまえちゃんんん!!!!」


「おいコガ!着替えにどんだけ時間かけ…」
「ひッ!!ひゅーがッ!!」
「コガ、お前…」
「ちっ違う誤解なんだよこれはッ!!違うんだよ!!」
「そうです日向先輩!誤解です!これは小金井先輩に味見を頼んで!!」
「…?!味見?!」
「いやぁぁああぁ!!」

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